東京でカラヴァッジョ 日記

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メアリー・エインズワース浮世絵コレクション(千葉市美術館)

2019年05月22日 | 展覧会(日本美術)
オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵
メアリー・エインズワース浮世絵コレクション
-初期浮世絵から北斎・広重まで 
2019年4月13日~5月26日
千葉市美術館
 
 
   海外にある浮世絵版画の元個人コレクション、初の里帰り展。
 
   コレクターは、アメリカ人女性メアリー・エインズワース(1867〜1950)。
   1905年、38歳でアジア旅行に出発、1906年来日、浮世絵に出会う。以降、約25年かけて浮世絵収集を行う。
   日本でも1938(昭和13)年に出された浮世絵コレクターの番付表「古今東西浮世絵数寄者総番付」の「外人数寄者いろは番付」内で「エインスオウス(エインズワース)」の名が掲載されるほど、目利きの女性コレクターで知られていたとのこと。
   死後、遺言により、1,500点以上の浮世絵版画・版本のコレクションは、母校・オーバリン大学(アメリカ・オハイオ州)に寄贈される。

   本展は、彼女のコレクションより初期版画から北斎・広重・国芳まで200点の浮世絵版画が展示される。希少な作品もあり、保存状態の良好な作品も多数。千葉会場では会期中の入替えなく全点が通期展示。200点は膨大、ひととおり鑑賞してぐったり。
 
 

【本展の構成】
 
第1章 浮世絵の黎明 墨摺絵からの展開   21点
・初期浮世絵版画も充実。菱川師宣、鳥居清倍、奥村政信、石川豊信など。
 
第2章 色彩を求めて 紅摺絵から錦絵の時代へ   34点
・鈴木春信14点など。
 
第3章 錦絵の興隆 黄金期の華 清長から歌麿へ   53点 
・清長10点、歌麿12点ほか、勝川春草、鳥文斎栄之、歌川豊国など。写楽は何故か1点のみ。
 
第4章 風景画時代の到来 北斎と国芳   44点
・「富嶽三十六景」11点ほか風景画を主とする北斎作品計33点、国芳の風景画10点、英泉1点。
 
第5章 エインズワースの愛した広重   48点
・「東海道五拾三次之内」「名所江戸百景」ほか広重の風景画作品。彼女の浮世絵コレクションの過半を占めるのが、広重作品であるらしい。
 
 
 
【お気に入り5選】
 
奥村政信(1686〜1764)
《羽根突きをする美人》
宝永-正徳期(1704–16)
 
 
鳥居清広(?〜?)
《身支度をする母と子》
宝暦(1751– 64)前期
 
 
 
鈴木春信(1725?〜70)
《六玉川「調布の玉川」》
明和4年(1767)頃
 
 
鳥居清長(1752〜1815)
《眉を装う芸者》
天明(1781-89)初期
 
 
 
栄松斎長喜(?–?)
《四季の美人 月見》
寛政(1789-1801)中期
 
 
 
    本展は、千葉のあと、静岡市美術館と大阪市立美術館に巡回する。


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