東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

一度は見たい、デトロイト美術館の所蔵作品

2013年07月20日 | 西洋美術・各国美術

アメリカのデトロイト美術館。

日本でのデトロイト美術館展は、確認した限り、1989-90年(東京、京都、茨城)、1995年(愛知)、2001年(横浜、福岡、福島、福井、愛媛)と、少なくとも3回開催されている。私はどれも見ていない。

大美術館らしいが、どんな作品を所蔵しているのだろうか。
同美術館のHPで確認を試みた。

確認対象範囲は、私の好みにより、14-19世紀のヨーロッパ絵画。

確認できた範囲で、是非一度は見たい絵画ベスト5は、次のとおり(制作年の古い順)。


1:ブリューゲル
 ≪野外での農民の婚礼の踊り≫1566

 森洋子氏は、農民たちの服装にも注目している(芸術新潮2013年3月号)。

○農婦たちの「頭巾」
 当時女性は全て頭巾をかぶっており、巻き方も様々
○農民たちの帽子に差しこまれたスプーン
 当時、時にはそのような仕方で携行していた
○農夫たちの膨らんだ股袋
 ズボンの構造であり、その誇張は、貴族を含め、男子の強靭さの象徴だった


2:カラヴァッジョ
 ≪マグダラのマリアの回心≫1598

 2001年カラヴァッジョ展図録の宮下規久朗氏『カラヴァッジョの闇』より。

  1971年のオークションで出現。元来多くのコピーにより知られていたが、1973年にデトロイト美術館が、賛否両論の渦中にあった本作を購入し大きな論争を呼んだ。翌年に「バーリントン・マガジン」が全号を挙げて、これを真作とする美術館側の調査報告や研究論文を掲載したことによって概ね真筆をして受け入れられたものの、いまだに否定的な意見がとだえることはない。

 1989年の「デトロイト美術館展」にて来日。
 2010年のローマの没後400年カラヴァッジョ展には出品されていない。


3:アルテミジア・ジェンティレスキ
 ≪ホロフェルネスの首を持つユディト≫1623/1625

 女性画家の代表作の一つ。
 2010年国立西洋美の「カポディモンテ美術館展」で本画家の「ホロフェルネスの首を切り落とすユディト」が出品された。
 本作は、その後の場面、首を切ったユディトが、母国へ帰還すべく、侍女とともに、食べ物袋に首を入れて、現場であるテントから抜け出そうと辺りを伺っている場面である。緊張感が伝わってくる作品。


4:シャルダン
 ≪錫引きの銅鍋≫1732

 2012年三菱一号館美の「シャルダン展」に出品された≪錫引きの銅鍋≫(ルーヴル美蔵)の別ヴァージョン作品。
 同展に展示された≪銅の大鍋と乳鉢≫(コニャック・ジェ美、パリ)は、ルーヴル美蔵またはデトロイト美蔵の対作品と考えられている。
 デトロイト美は、他にもシャルダン作品を1点所蔵している(静物画に回帰後の作品≪Still Life with Dead Hare≫1760)。


5:フュースリ
 ≪夢魔≫1781

 フュースリの代表作として、まず浮かぶのが本作。
 なお、国立西洋美がフュースリの≪グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ≫を所蔵している。


他にも、イタリア・ルネサンス絵画や、バロック、印象派・後期印象派など一度見たいと思う作品がたくさんある。
14-19世紀のヨーロッパ絵画以外にも、アメリカ美術、アジア他世界各地の美術、等充実しているよう。
大美術館だと認識した。



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