東京でカラヴァッジョ 日記

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「横浜の仏像」展(横浜市歴史博物館)

2021年02月22日 | 展覧会(日本美術)
横浜の仏像
しられざるみほとけたち
2021年1月23日〜3月21日
横浜市歴史博物館
 
   横浜市域に伝わる、7世紀飛鳥時代から14世紀南北朝時代までの仏像約40件を紹介する展覧会。
 
【本展の構成】
1:仏像史の曙光  飛鳥時代・奈良時代
2:古代仏の個性  平安時代1
3:王朝仏への憧憬  平安時代2
4:運慶仏の時代  鎌倉時代1
5:中世仏の諸相  鎌倉時代2
6:中世仏の展開  鎌倉時代3・南北朝時代
 
 
【特に見た仏像4選】
 
横浜市指定
《如来坐像(伝阿弥陀如来像)》
飛鳥時代7〜8世紀
松陰寺(鶴見区)[東博寄託]
    横浜にある飛鳥仏。銅造鍍金。
 
 
重文
《十一面観音菩薩立像》
平安時代11世紀、弘明寺(南区) 
   頭部から爪先まで丸ノミ痕を規則正しく美しく残す「鉈彫り(なたぼり)」像。
 
 
重文
《釈迦如来立像》
鎌倉時代13世紀、真福寺(青葉区)
 
   「清凉寺式釈迦如来立像」。平安中期に中国北宋から請来された京都・清凉寺像の模像。通肩(つうけん)の衣。同心円状に反復される衣文。衣から浮き出る胸・腹・脚。
   会場内解説によると、本展図録に清凉寺像と同様「瞳は別材を貼っている」旨記載したところ、図録を見たある研究者から「左の額にある干割れが左側の瞳を通っているから、瞳は本体の材から彫り出されているのではないか」との指摘があり、確認したところ、そのとおりで、図録にその旨の正誤表をはさんだ、とのこと。2/9より解説を変更したようだ。
 
 
神奈川県指定
院誉作《十一面観音菩薩坐像》
鎌倉時代・1332年、慶珊寺(金沢区)
  「遊戯坐(ゆげざ)」像。台座に座る。左足は地につけ、右足は台座の上で横にする(左足の上に乗せない)。膝の上に左手を置き、台座に右手をつく。衣がボリューミー。鎌倉土着の仏師による作。
 
 
   展示室前のコーナーの仏像のみ撮影可。
 
 
 
   細かい乗り継ぎを重ねること5路線。横浜市歴史博物館は初訪問。センター北駅辺りに来るのも初めて。
   美術鑑賞のために東京都の外に出たのは、昨年2月末以来約1年ぶりのこと(副次的に美術鑑賞をしたのは他1回あり)。
 
 
 
【本展概要】
   武蔵国と相模国が境を接する横浜の地には、奈良時代、八世紀後半頃に仏教文化がもたらされました。以来、各時代にわたり数多くの寺院が建立され、“みほとけ”に対する祈りが捧げられ、仏教の信仰が根付いてきました。
   本展は横浜市域に伝わる仏像を総合的・体系的に紹介するはじめての展覧会です。半世紀におよぶ文化財調査の成果にもとづき、平安・鎌倉時代の仏像を中心に、新発見・初公開の“しられざるみほとけたち”を紹介し、横浜の仏教文化の実像にせまろうとするものです。
   時代を超え守り伝えられてきた横浜の仏像は、地域色豊かな独特の個性を有する像から都風の洗練された像までさまざまです。人々の信仰や美意識などの変化を反映し、時代ごとに多彩な姿をみせる横浜の仏像を紹介します。


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