ボストン美術館 ミレー展
傑作の数々と画家の真実
2014年10月17日~2015年1月12日
三菱一号館美術館
主催者あいさつ
あまりに短いのに驚く。13行。内容もマニュアル的。
出品内容
ボストン美術館は、ミレー作品を油彩、パステル、版画、素描をあわせて、約170点所蔵しているという。
そのうち、本展には、25点(全て油彩画)が出品。
その他、バルビゾン派やモネ1点を含む同時代のフランスの画家の作品39点で、全64点。
その規模なので、非常にゆったりとした展示となっている。
3階の一番大きな部屋には、パーティションで区切って展示面積を増やすこともなく、壁面のみ利用で9点展示。「ボストン美術館の三大ミレー」、≪種をまく人≫(1850年)、≪刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)≫(1850-53年頃)、≪羊飼いの娘≫(1870-73年頃)は、この部屋に展示される。
章立て
本展の章立て、各章ごとの出品数(カッコ内はミレー)は、次のとおり。
3点(うちミレー2点)は、図録上の章とは異なる章に移動させている。
1章 巨匠ミレー序論
(図録)4点(4点)
(会場)3点(3点)
2章 フォンテーヌブローの森
(図録)22点(2点)
(会場)20点(1点)
3章 バルビゾン村
(図録)19点(10点)
(会場)20点(10点)
4章 家庭の情景
(図録)10点(8点)
(会場)10点(8点)
5章 ミレーの遺産
(図録)9点(1点)
(会場)11点(3点)
追加 ミレー、日本とルドン
(会場)4点(1点)
自画像と最初の奥さんの肖像
最初に登場するのは、ミレーの3作品。
≪自画像≫1840-41年頃
≪グリュシーのミレーの生家≫1854年
≪J.-F.ミレー夫人(ポリーヌ=ヴィルジニー・オノ)≫1841年
ミレーの自画像は4点(油彩2点、素描2点)存在するとの説明がある。
山梨・府中のミレー展で油彩1点、素描1点を観て、今回油彩1点を観る。概ね制覇といえる。
ミレーの最初の奥さんの肖像画は、4点存在するという。
山梨・府中のミレー展で油彩3点を観て、今回油彩1点を観る。完全制覇してしまった。
こんなことが普通あるだろうか。
山梨での最初の奥さんの肖像画3点が並ぶ様は印象に残っている。府中では2点・1点と別れての展示だった。次の巡回先・宮城ではどうなるのだろうか。
追加の章
三菱一号館美寄託作品、ミレー1点、日本の画家3点が展示。もう1点ルドン≪グラン・ブーケ≫も展示。
浅井忠≪花畠≫には、AGC旭硝子の「超低反射ガラス」が使用されている。
通常のガラスは、反射率が8%程度あるが、このガラスは0.2%以下に抑えているとのこと。
感想
ミレー作品で、特に惹かれる作品は無し。
なんか、同じような雰囲気の作品ばかり(主題、描法、サイズなど)をわざわざ選んでいるような感じ。
山梨・府中のミレー展の方が、まだ多様性があって楽しめた感。
強いて言えば、一番最後に展示されているNo.4≪ソバの収穫、夏≫(1868-74年)かなあ。