日本美術の裏の裏
2020年9月30日〜11月29日
サントリー美術館
《鼠草子絵巻》五巻のうち
室町〜桃山時代、16世紀
サントリー美術館
都に住む権頭は120歳にもなる古鼠。子孫の代には畜生道を逃れようと人間の姫との結婚を望んでいた。清水観音に参籠した甲斐があって、同じく清水寺を参拝していた長者の娘を妻とする。権頭は姫を寵愛する。ところが、権頭が清水寺への御礼参りで家を留守にした際に、姫は屋敷の様子を覗き見し、権頭の正体を知ってしまう。姫がしかけた鼠取りの罠に、権頭がかかり落命しそうになる。その間に姫は逃げる。絶望の権頭は出家する。
【前期出品】
清水寺。鼠の権頭が姫君を見初める。
桜を手にする姫君は、花と見紛うばかりの美しさ。
一目惚れした権頭は、姫君のお供に声をかける。
【後期出品】
鼠の権頭と姫君の結婚式
式の裏側、鼠たちは祝宴の支度に大忙し。画面には文字があふれ、鼠たちは手も口も忙しそう。
姫君は、「見てはいけない」と言われていたが、覗いてしまった。
みんな鼠。鼠の家に嫁いでしまった。
相談する2人。鼠取りを仕掛けよう。
その罠に、権頭がかかってしまう。
(参照)サントリー美術館「お伽草子」展図録