東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

2015年 展覧会ベスト10

2015年12月31日 | 展覧会(日記)

   今年見た展覧会のお気に入りベスト10(今年が6回目)。


1:グエルチーノ展
2015年3月3日~5月31日
国立西洋美術館

   イタリア・バロックの巨匠のまさかの展覧会。バロックらしい大画面の祭壇画が多数出品、イタリアの教会を擬似体験できた。宮下規久朗氏の講演にも参加した。2012年5月に地震に襲われ、大きな被害を受けたチェント市立絵画館の復興支援の展覧会でもあった。

 

2:大英博物館展-100のモノが語る世界の歴史
2015年4月18日~6月28日
東京都美術館

 大英博物館が所蔵する100のモノにより、人類200万年の歴史を語ろうとする壮大な企画。《イフェの頭像》《ベニン王国の飾り板》《ミトラス神像》《アラビアの手形奉納品》を筆頭に、今まで知らなかった美術作品にたくさん出会えた展覧会であった。

 

3:ルーヴル美術館展 日常を描く-風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄
2015年2月21日~6月1日
国立新美術館

   会場に来て初めて知ったブリューゲル≪物乞いたち≫の出品にはびっくり。マセイス≪両替商とその妻≫、ムリーリョ≪物乞いの少年(蚤をとる少年)≫、ル・ナン兄弟≪農民の食事≫、フェルメール≪天文学者≫などを楽しんだ。風俗画というテーマ自体が良かった。次のルーヴル美術館展にも期待。

 

4:バーネット・ニューマン-十字架の道行き-
2015年3月14日~6月7日
MIHO MUSEUM

   川村記念美術館が2013年に売却し103億円の譲渡益を得たという≪アンナの光≫の作者による後期の連作、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の≪十字架の道行き≫14点と≪存在せよII≫の全15点。なんだかわからないながらも印象に残る作品。≪アンナの光≫も観ておけばよかった。

 

5:逆境の絵師 久隅守景
2015年10月10日~11月29日
サントリー美術館

   国宝《納涼図屏風》、田園風俗画《四季耕作図屏風》、躍動感溢れる《鷹狩図屏風》、奇祭を背景とする《鍋冠祭図押絵貼屏風》など、久隅守景の魅力を初堪能した。

 

6:ウィーン美術史美術館所蔵-風景画の誕生
2015年9月9日~12月7日
Bunkamuraザ・ミュージアム

   何と言ってもパティニール作品の初来日!その青の魅力を楽しんだ。バッサーノの月暦画連作9点も印象に残る。

 

7:みちのくの仏像
2015年1月14日~4月5日
東京国立博物館 本館 特別5室

   小規模ながら濃厚。仏像自体の魅力に加え、東日本大震災で傷ついた仏像、東日本大震災の大津波を見た仏像、869年貞観地震を経験した仏像など、エピソードも満載。同時期開催の「3.11大津波と文化財の再生 」展とあわせ、印象深い展覧会となった。

 

8:夷酋列像-蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界-
2015年12月15日~16年2月7日
国立歴史民俗博物館

   年末飛び込みランクイン。良好な状態。精緻な描写。鮮やかな色彩。異質性を強調されながらも品位を感じさせるアイヌの首長たち。魅力的な作品の向こう側にみえる世界。

 

9:春画展
2015年9月19日~12月23日
永青文庫

   日本初の特化展覧会。開催に至るまでの経緯を含めた話題性。入場者数210,220人(1日あたり約2,400人強)は凄い。肉筆画を中心に楽しんだ。

 

10:プラド美術館展ースペイン宮廷 美への情熱
2015年10月10日~1月31日
三菱一号館美術館

   ヒエロニムス・ボスの真筆作品が初来日したからにはランクインさせないわけにはいかない。いつの日かプラド美術館を訪問し、ボスの代表作群を観たい。

 

2016年も素敵な展覧会に多数出会えますように。



2 コメント

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Unknown (SH)
2016-01-03 15:58:06
明けましておめでとうございます。
トラックバックさせていただきました。

「ルーブル美術館展」の出品はなかなか良かったですね。
北海道ゆかりの「夷酋列像展」も評価していただき、北海道人としてはうれしいです。
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コメントありがとうございます。 ()
2016-01-03 21:26:05
SH様
コメント&トラックバックありがとうございます。

《夷酋列像》については、この展覧会までその存在も知りませんでした。実に魅力的な作品です。
今日、東博に行ったのですが、今まで素通りしていた本館1階16室の展示も、興味深く見てしまいました。
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