東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

スケドーニ《キリストの墓の前のマリアたち》

2020年11月16日 | 西洋美術・各国美術
   2007年の国立西洋美術館の企画展。
   一目見て、腰を抜かすほどびっくり。
 
バルトロメオ・スケドーニ
《キリストの墓の前のマリアたち》
1613年頃、200×281cm
パルマ国立美術館
 
   画面がでかい(200×281cm)。人物(復活したキリストと3人のマリア)もでかい。色彩が強烈、光と闇のコントラストも強烈。凄い。
 
 
   画家名は?
   バルトロメオ・スケドーニ。
   凄い作品。こんな作品が存在するとは知らなかった。画家の名前も知らなかった、しかも17世紀イタリアの画家で。
 
 
   長らく西洋美術好きを続けてきて、展覧会鑑賞や書籍やネットなどを通じて、ひととおり主要画家・作品については何らかの情報に触れている(表面的ではあっても全くのゼロではない)つもりになりかけていた頃。海外ならばともかく日本に居ながらにして、全くの白紙の状態での衝撃的な出会い。この世界は広い。そんな経験をした思い出深い作品。
 
 
パルマ:イタリア美術、もう一つの都
2007年5月29日〜8月26日
国立西洋美術館
 
   同展には、スケドーニ油彩画作品が他にも4点出品されており、《慈愛》(1610年以降、140×98cm、パルマ国立美術館)も印象深い作品。
 
 
『国立西洋美術館年報No.42』より
   カラヴァッジョが光の明暗を人間の内面の襞に呼応させたのとは異なり、スケドーニは色彩そのもののもつ強さを人間の感情の動きそのものに直接対峙させた。《3人のマリア》は、彼の傑作のひとつで、3人の女性の顔が見えないにもかかわらず、その内面の驚愕が彼女たちの着ている衣の色から直接われわれの感性に訴えかけてくる、斬新かつ驚異的なダイナミズムを実現している。
 
 
「パルマの奇才」スケドーニ
 
   1578年モデナ生、1615年パルマ没。
   1595年、パルマ公ラヌッチョ1世の命でローマに赴き、フェデリコ・ズッカロのもとで修業するが、まもなくパルマに戻る。
   初期の様式形成にはコレッジョやパルミジャニーノの影響がみられるものの、後の様式発展には主にカラッチ一族の革新性が取り入れられている。
   1602年頃、モデナのチェーザレ・デステの宮廷で仕事をしたあと、1607年からはもっぱらパルマの宮廷画家を務める。
(2010年「カポディモンテ美術館展」図録より)
 
 
   将来パルマを旅行することがあれば、《キリストの墓の前のマリアたち》と、他にもあるだろうスケドーニの素晴らしい作品群を観たいものである。
 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。