アーティゾン美術館は、同館のウェブサイトによると、クロード・モネ作品を、油彩7点、パステル1点を所蔵する。
現在開催中の「石橋財団コレクション選」(会期:10/25〜2/5)には、うち油彩6点が展示されている。
しかも、4階の、その6点だけが展示される1室、いわば「クロード・モネ室」にて。
5階から見た「クロード・モネ室」
「クロード・モネ室」
モネは、1871年12月からパリの北西の街アルジャントゥイユに暮らす。
すぐそばを流れるセーヌ川沿いの風景を繰り返し描く。
1878年1月まで約6年間を過ごし、約170点の作品を残す。
《アルジャントゥイユ》
1874年、43.0×70.0cm
1872年12月から翌年2月にかけて雪解け水でセーヌ川が増水する。
これによるアルジャントゥイユにおける洪水の様子を描く。
《アルジャントゥイユの洪水》
1872-73年、54.4×73.3cm
モネは1886年9月から11月末まで、ブルターニュ半島の南にある「美しい島」という意味の小さな島ベリールで過ごす。
モネがベリールを描いた油彩画は現在40点ほど知られている。
《雨のベリール》
1886年、60.5×73.7cm
モネは1883年より、パリ近郊のジヴェルニーに居を構える。1890年、家を購入。1893年、自邸の庭の南端を通っていた鉄道に沿って広がる土地を購入。セーヌ川支流のエプト川のさらに支流のリュー川から水を引き、池を整備する。1901年から翌年にかけて土地を買い足し、池を拡張する。
《睡蓮》
1903年、81.5×100.5cm
1907年に午後から日没直後までの睡蓮の池を描いた15点からなる縦長のカンヴァスによる連作の1点。日没近くの睡蓮の池。
なお、この15点連作のうち3点が日本に所在する。アーティゾン美術館、和泉市久保惣記念美術館、DIC川村記念美術館である。
《睡蓮の池》
1907年、100.6×73.5cm
モネは、1908年9月末にヴェネツィアを初めて訪問、約2カ月滞在し、約30点の作品を制作する。
本作には、サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会が描かれる。
《黄昏、ヴェネツィア》
1908年頃、73.0×92.5cm
アーティゾン美術館は、ポーラ美術館、国立西洋美術館に次いで、多様なモネ作品を所蔵する美術館であろう。