2021年11月から開催予定の「メトロポリタン美術館展」に、初来日となるフェルメール作品《信仰の寓意》が出品される。
一般にフェルメール作品として言及される37点(真筆性に疑義大の作品を含む)のうちで、26点目の来日となる。
また、2022年1月には、17年ぶり3度目の来日となるドレスデンの《窓辺で手紙を読む女》が修復完了後の姿で、東京都美術館にやってくる予定。
このご時世、思わぬフェルメール・ラッシュ。
《信仰の寓意》1670-72年は、フェルメール最晩年の作品の一つと考えられている。フェルメール作品としては、サイズの大きい方ではあるが、37点のなかでは面積は6番目である。
1位:マリアとマルタの家のキリスト
2位:取り持ち女
3位:絵画芸術
4位:デルフト眺望
5位:ディアナとニンフたち
6位:信仰の寓意
7位:聖女プラクセデス
国立西洋美術館に寄託されている《聖女プラクセデス》よりやや大きい(縦12cm・横6cm)くらい。
《絵画芸術》に続く本格的な寓意画であるが、《絵画芸術》の評価が極めて高いのに対し、本作の評価は低いといっても良いようだ。
簡略的・省略的な筆遣い。市民の日常の室内にあるにしては場違いな地球儀や蛇などの小道具。大げさなしぐさの女性のわざとらしさ(これは、他の画家でも時折見られるような気がする)。
いずれにせよ、その実物を見て判断できる機会をいただけるとは有難いこと。
2021.11時点の見込みで、来日していないフェルメール作品は11点となる。
ついに限界に到達した感。
あとは、LNGかケンウッドハウスに期待できるかどうかくらいかなあ。
<オランダ>
マウリッツハイス美術館
《デルフト眺望》
✳︎ヨーロッパ大陸16点中、残るのは本作のみ。来日が実現するようなことがあれば、社会的大事件。
<イギリス>
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
《ヴァージナルの前に立つ女》
*所蔵2点中、残るは1点。
ケンウッドハウス
《ギターを弾く女》
バッキンガム宮廷王室コレクション
《音楽の稽古》
<アメリカ>
メトロポリタン美術館
《眠る女》
《少女》
✳︎所蔵5点中2点来日済み、《信仰の寓意》が2021年来日予定。残る2点は、貸出しは期待できず、現地へ行くしかない。
フリック・コレクション
《士官と笑う女》
《稽古の中断》
《女と召使》
✳︎作品貸出しは行わない美術館。現地へ行くしかない。
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
《フルートを持つ娘》
✳︎所蔵4点中3点来日。残る1点は真筆性に疑念。
イザベラ・ステュアート・ガードナー美術館
《合奏》
✳︎1990年盗難、現在も行方不明。
【参考:フェルメール来日作品26点】
1)ディアナとニンフたち(マウリッツハイス王立美)
1968年、1984年、2008年、2012年
2)窓辺で手紙を読む女(ドレスデン国立美)
1974年、2005年、2022年予定
3)真珠の耳飾りの少女(マウリッツハイス王立美)
1984年、2000年、2012年
4)手紙を書く女(ワシントンNG)
1987年、1999年、2011年、2018年
5)天秤を持つ女(ワシントンNG)
2000年
6)地理学者(シュテーデル美)
2000年、2011年
7)リュートを調弦する女(メトロポリタン美)
2000年、2008年、2018年
8)聖プラクセディス(個人蔵)
2000年(2015年〜国立西洋美で常設展示)
9)恋文(アムステルダム国立美)
2000年、2005年、2019年
10)絵画芸術(ウィーン美術史美)
2004年
11)牛乳を注ぐ女(アムステルダム国立美)
2007年、2018年
12)マルタとマリアの家のキリスト」(スコットランドNG)
2008年、2018年
13)小路(アムステルダム国立美)
2008年
14)ワイングラスを持つ娘(アントン・ウルリッヒ公美)
2008年
15)手紙を書く婦人と召使い(アイルランドNG)
2008年、2011年、2018年
16)ヴァージナルの前に座る若い女(個人蔵)
2008年
17)レースを編む女(ルーブル美)
2009年
18)手紙を読む青衣の女(アムステルダム国立美)
2011年
19)真珠の首飾りの少女(ベルリン国立美)
2012年、2018年
20)天文学者(ルーブル美)
2015年
1968年、1984年、2008年、2012年
2)窓辺で手紙を読む女(ドレスデン国立美)
1974年、2005年、2022年予定
3)真珠の耳飾りの少女(マウリッツハイス王立美)
1984年、2000年、2012年
4)手紙を書く女(ワシントンNG)
1987年、1999年、2011年、2018年
5)天秤を持つ女(ワシントンNG)
2000年
6)地理学者(シュテーデル美)
2000年、2011年
7)リュートを調弦する女(メトロポリタン美)
2000年、2008年、2018年
8)聖プラクセディス(個人蔵)
2000年(2015年〜国立西洋美で常設展示)
9)恋文(アムステルダム国立美)
2000年、2005年、2019年
10)絵画芸術(ウィーン美術史美)
2004年
11)牛乳を注ぐ女(アムステルダム国立美)
2007年、2018年
12)マルタとマリアの家のキリスト」(スコットランドNG)
2008年、2018年
13)小路(アムステルダム国立美)
2008年
14)ワイングラスを持つ娘(アントン・ウルリッヒ公美)
2008年
15)手紙を書く婦人と召使い(アイルランドNG)
2008年、2011年、2018年
16)ヴァージナルの前に座る若い女(個人蔵)
2008年
17)レースを編む女(ルーブル美)
2009年
18)手紙を読む青衣の女(アムステルダム国立美)
2011年
19)真珠の首飾りの少女(ベルリン国立美)
2012年、2018年
20)天文学者(ルーブル美)
2015年
21)水差しを持つ女(メトロポリタン美)
2016年
22)ワイングラス(ベルリン国立美)
2018年
23)赤い帽子の娘(ワシントン・ナショナルギャラリー)
2018年
24)取り持ち女(ドレスデン国立美)
2019年
25)ヴァージナルの前に座る若い女性(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)
2020年
26)信仰の寓意(メトロポリタン美)
2021年予定