徒然草-美術で楽しむ古典文学
2014年6月11日~7月21日
サントリー美術館
本展のメインは、海北友雪≪徒然草絵巻≫(17世紀後半)。
海北友雪(1598-1677)は、海北友松の子。
父の友松については、本年の東博「栄西と建仁寺」展にて、≪雲龍図≫ほか多数の襖絵等が展示されていた。
≪徒然草絵巻≫は、近年サントリー美の所蔵となったという、全20巻の大型作品。
徒然草の序章から第243段まで、ほぼ全段が絵画化され、文章も付いている。
1:≪徒然草絵巻≫全20巻が一挙公開
全20巻が並ぶ様はなかなか。
ただし、フルオープンではない。
各巻平均12段が描かれている計算となるが、そのうち各巻1~6段の公開。
2:徒然草の現代語訳のキャプションつき
公開対象の段には、徒然草の現代語訳のキャプションが漏れなく用意されている。
高校時代の古典の授業以来の徒然草。
どのくらいの数の段があったのか、キャプションを読むだけで、結構おなかいっぱい。
3:徒然草の絵画化は難しい?
物語の山場があるわけではない。動きは少ない、派手さはない、ましてエキセントリックな場面はない。
絵画を見ても、文章とどう関係させているのか、ピンとこない段も多い。
「徒然草のなかでも人気のある章段を選択し、数場面を描くのが一般的」だったというのは、そうだろうなと思う。
先行事例はあったのかもしれないが、全段の絵画化は相当苦心しただろう。
兼好法師
1283年頃生、30歳以前には既に出家、70歳過ぎまで生きたと考えられている。
徒然草は、鎌倉時代末期に成立(時期や過程は明確ではない)、約100年後の室町時代になり一部の人達に受け入れられるようになり、江戸時代になって広く読まれるようになった。
本展の章立て
1章 兼好と徒然草
兼好の肖像画、書籍の徒然草。
2章 <徒然絵>の諸相
いろんな画家による徒然草の絵画化作品
3章 徒然草を読む
海北友雪≪徒然草絵巻≫全20巻
4章 海北友雪の画業における「徒然草絵巻」
海北友雪の他の作品