日本政府は昨年の中国リスクを経験した、その第一がほぼ100%を輸入していたマスクなんだが今や安売りで50枚入り不織布マスクが1枚当たり2円で買える店も有る、これは極端な安値だが1000円以下ならどこでも買える状況だ。
単価の安いマスクだが全世界から買いが入れば高くなる、これはどんな商品でも言える事で驚きはしない。こんなに低価格ならマスク外交してもメリットは十分有る、今はワクチン外交を展開しているが、効果はファイザー製等から比べると50%以下らしいがそれでも中国製に頼る国は多い、全く何でも外交利用に置き換える中国の強かさは参考にしなくてはならない。
今や何でも有の中国は事業展開でも専門性が分離されているから比較的簡単に小ロットでも注文に応じてくれる工場は有る。
以前から海外向けのメーカーが有れば中国内しか流通してない商品は造る工場も有った、それも沢山有る、家具に参入したいと思えば関連産業が集中している街も有る、電機系ならどの街とか、産業別に有るからそこに行けばビジネス(取引)を簡単に始められる、よって世界中からバイヤーが集まる、その見本市も毎年何度も開催されているから参入は簡単、100円ショップ向けの卸やメーカーが集まる街も内陸に有る。
ロットで取引を好むから1商品(デザイン)が1千個とか1万個以上でないと取引しない会社も有るが、そこは商売の国だから卸会社経由で1商品100個でも良い会社も存在する、そんな産業集積の街は残念ながら大規模では日本にない、価格が安いから既に店を持っているとか使える場所が有るからそこに置いて見ようと思えば何でも商品は集められる。
そうでない自社製品とか現地日本の自動車向けの部品会社は既に参入しているが、現地で利益が出せない、そもそも中国で会社を興せば単独での進出が出来ない国で有った。現地企業と合弁が基本で有る、進出は技術や製造ノウハウも一体が基本だから数年もすれば盗まれて、類似品を別会社で造って売ったりする、個人店舗でも現地に共同会社が有る必要も有る、ラーメンなどの飲食業や美容院などが当てはまるが、数年したら嫌がらせが始まり乗っ取りは簡単だ、以前から個人ではリスクが有り過ぎる国で有ったから、そんな話には安易に乗るなと言ってきた、中小企業は何とか事業を回してと苦労しているが簡単には事業の撤退が簡単でなくお金もかかるのが中国だ。
そんな中国から日本へ帰ったらと、日本政府は補助金付けてと言っているが、多くの現地企業は乗り気でない、利益が出せなくても日本向けで有ったり、タイ等他のアジアに進出している自社工場や取引先が有ったりしいているから簡単ではない。サプライチェーンの構築が出来ている。
日本の空洞化は30年前から起こっているから、状況は深刻だ、日本の産業力が低下しているのが問題で、世界で稼げる最終商品がない。
これが最大の問題点だから5年後10年後の絵が描けない、ジリ貧状態でも日本に帰ればより多くの危機が待ち受けていると思っているのが本音だろう。
貿易額では米国より中国が5%位多いが、利益は米国の方が多い、これは自由なビジネス環境が有るからだろう、利益が出ない事は40年前から分かっていた事だろうが、対中国は政治や経団連からの圧力が生んだ結果でしかない。
マーケットが大きいから稼げるとの根拠なしで、進出を奨励した不幸が長年続いているのが強気になれない日本企業。
高圧な態度、儲けさせない仕組みの中で日本企業はノウハウだけは吸い取られて行く、工作員でしかない労働者を出す仕組みや留学生等を受け入れて欲しい要望をNOと言えなくなっている、日本は益々弱体化するだけなんだが、根本問題は騙され続けている日本政府が強気な交渉が苦手としている事だ、香港や台湾企業の協力で利益確保している企業も有るが、ビジネスは交渉だと態度で示さない事も問題だ。