映像 ☆☆☆☆
脚本 ☆☆
役者 ☆☆☆
演出 ☆☆☆☆
既視感 ★★☆☆
といったかんじ。
過酷な植民惑星に暮らす主人公の女性レインは、仲間の若者たちと共に惑星の脱出を目指していた。
衛星軌道上に廃船になった大型の宇宙船ロムルスを発見した彼らは、他星系への移住のため、宇宙船に残された冷凍睡眠ポッドを手に入れる計画をたてる。
ポッドを求め宇宙船に乗り込んだ彼らを待っていたのは・・・。
今作は、エイリアンシリーズと世界観を同じくする正当作(リプリーがでるような続編ではない)。
映像や演出としては、ディストピア的な植民惑星の雰囲気や、宇宙船ロムルスの内部などは、流石に上手く描かれていた。一方、エイリアンの迫力は過去作に比べて、なにか物足りなく感じた。
脚本はいろいろな要素を詰めこみすぎて、消化不良を起こしているように感じた。
過去作の要素が、おそらく意図的に組み込まれていて、懐かしさを覚える反面、焼き直し感があったので既視感の項目として☆と★を混ぜてつけた。
具体的に過去作との重なりを感じたのは、まず舞台設定だ。植民惑星は3の流刑地、ロムルスの内部や戦闘員不在のメンバーは1の要素を感じた。また、レインが信頼しているアンドロイド、アンドロイドを嫌っているメンバーの存在などは、1と2でアンドロイドに対する感情を揺らしていたリプリーを思わせたし、ロムルスに残されていたアンドロイドにいたっては、完全に1のアンドロイドそのものだった。
こうして何作品分もの表現を詰めこんだせいで、登場人物の掘り下げが全く無く、緊急時の彼らの行動が全部唐突なものに見えてしまった。
全体的に失敗していた脚本で、良かった部分としては、レインが何度か機転を利かせて危機を脱する描写は良かった。
役者の外見もあって、レインは(シガニーウィーバーのリプリーとまではいかないまでも)十分魅力的な主人公になっていた。
総評としては、それなりに楽しめる作品だが、(特にまだ見てない人は)過去の1,2,3,4を見た方が安上がりで楽しめるだろうと思った。
以下ツッコミ
・植民惑星の設定に無理がある
住人は毎月何人も死ぬような、危険な肉体労働に従事しているが、冷凍睡眠ポッドが高価で、人員補充がほとんど無い人口2000人程の星で、そんな非効率なことをするわけがない。
衛星軌道までいける宇宙船を個人所有していたりして、物資がないわけでもないのでなおさら。
・ラストが救われない
目指す最寄りの星系はアンドロイドを排斥していて、家族同然のアンドロイドを連れたレインは幸せになれない。よけいな設定は入れず、せっかく助かったんだから、新天地を夢見て眠りにつくラストで綺麗に終われば良かった。
・エイリアンが弱い
いくら高性能の銃とはいえ、非戦闘員のレインが、エイリアンの群れを携行兵器一つで撃退するのはいかがなものか。ロムルスの保安職員はいったいどれだけ貧弱なのだろうか。
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