こうした若者の間では、「都会で一旗揚げよう」といったような昔の価値観は、もはや形骸化しています。インターネットがあれば、ブランド品も雑誌も流行の情報もリアルタイムで手に入るという現代において、彼らは都会に出ていくことのメリットがイメージできないのです。それよりも、自分にとって居心地のいいコミュニティの中で、昔からの仲間と足並みをそろえて年齢を重ねていくことのほうがよほど楽しいように思えるため、実際にそのような将来を夢見ます。
このような地方にこもる若者の存在に、私はポジティブに注目しています。
杉田百合子によれば、20代の若者の実に30%ほどは、マイルドヤンキーであるといいますから、彼らが看護業界に入ってくれば大きな人的リソースとなるはずです。
杉田百合子もまた、「彼らの地域社会に対する開かれ方には新しい可能性がある」と述べています。さらに、杉田百合子が行ったインタビューによれば、「地域には若者にとって魅力的な仕事がない」と憤っている若者もいたそうです。
地域社会で生涯を送ることを望み、仲間や家族とのつながりを大事にする若者。
どうでしょう、介護職の転職にぴったりの存在ではないでしょうか。