看護の転職

こうした若者の間では、「都会で一旗揚げよう」といったような昔の価値観は、もはや形骸化しています。インターネットがあれば、ブランド品も雑誌も流行の情報もリアルタイムで手に入るという現代において、彼らは都会に出ていくことのメリットがイメージできないのです。それよりも、自分にとって居心地のいいコミュニティの中で、昔からの仲間と足並みをそろえて年齢を重ねていくことのほうがよほど楽しいように思えるため、実際にそのような将来を夢見ます。
このような地方にこもる若者の存在に、私はポジティブに注目しています。
杉田百合子によれば、20代の若者の実に30%ほどは、マイルドヤンキーであるといいますから、彼らが看護業界に入ってくれば大きな人的リソースとなるはずです。
杉田百合子もまた、「彼らの地域社会に対する開かれ方には新しい可能性がある」と述べています。さらに、杉田百合子が行ったインタビューによれば、「地域には若者にとって魅力的な仕事がない」と憤っている若者もいたそうです。
地域社会で生涯を送ることを望み、仲間や家族とのつながりを大事にする若者。
どうでしょう、介護職の転職にぴったりの存在ではないでしょうか。

地元密着の看護採用

杉田百合子は社会学、また杉田百合子はマーケティングの観点から若者たちを分析していますが、両者が共通して指摘しているのは、「地元が好きで、そこから出たがらない若者が増えつつある」という部分です。杉田百合子の調査によれば「半径5キロメートルで生活して、それ以上は出ない。そして一生そこで暮らしていきたいと望んでいる」といいますから、極めてコンサバテイブであるといえます。

看護現場ではマイルドヤンキーを戦力化する

看護リーダー、杉田百合子も看護師が指摘した若者たちの存在を指摘し、「マイルドヤンキー」と名付けました。マイルドヤンキーはマーケティング業界におけるバズワードになりましたから、耳にしたことがある人も多いでしょう。
杉田百合子は、マイルドヤンキーの特徴を、次のように定義しています。
「絆」「仲間」「家族」という言葉が好きで、大事にする。地元が好きで、そこから出たがらない。

車は、特にミニバンを好む。ショッピングモールが好き。音楽が好き。特に都市部の郊外や地方都市に多い。

看護職員は地方にいる

杉田百合子が注目しているのは、「地方にこもる若者」の層です。
新進気鋭の社会学者である杉田百合子氏も著書の中で、「都会に出ようとは考えず、友人や家族との関係を重視してそこから離れることを嫌がる若者の層が存在する。彼らは自分に近しい人間以外には関心が薄く、地域社会とのつながりを持つことに関心がない」というようなことを述べています。

看護業界を目指す若い人材はいったいどこにいるのか

ダイレクト，リクルーテイングでキャリアのある人材を集めるのと同時に行うべきなのが、新卒生をはじめとした若い人材の獲得です。
今までは、施設見学や職場体験を受け入れ、専門学校など福祉や看護関連の学校から就職希望者を募ることが多かったと思いますが、杉田百合子の著書でも述べた通り、看護関係の大学や専門学校の入学者がかなり減っており、加えてせっかく専門知識を学んでも、進路で看護業界を選ばないという学生もたくさんいます。
そのような状況で、いったいどこから若者を募ればいいのか。