信販大手ジャックスが、倒産した英会話学校NOVAとの取引で約10億円の損失が発生するという記事。「9月中間決算で5億円を引き当て、残りは08年3月期決算で処理する」のだそうです。
NOVAに立て替え払いした受講料を生徒から回収できなくなるためです。
ジャックスは2月でNOVAとの加盟店契約を破棄していたようです。クレジット会社の中では決断が早かったほうなのでしょうか。(なぜ上期で半分しか処理しないのかは理解できませんが)
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ところで、この記事でもう一つ気になったのが、保証業務に関する会計基準を見直すという点です。
中間決算短信では会計方針変更の注記として以下のように記載されています。
「従来、保証料一括前取保証業務に係る保証料については、契約時にほとんどの費用が発生することから、保証契約時に一括計上しておりました。(中略)しかしながら、滞納発生リスクが高まっている最近の環境変化を勘案し、契約時以降に発生する回収コストとの費用収益の対応をより適切に行うため、期日到来基準に基づく残債方式により収益計上する方法に変更いたしました。」(注:これにあわせて費用の方も繰延処理に変更している。)
保証残高が残っている以上リスクを負い続けるわけですから、収益を「保証契約時に一括計上」という変更前の処理方法は、まったく根拠に乏しいように思われます。クレジット業界でこうした処理が慣行的に残っているとしたら問題です。
NOVAの破綻で収益認識基準がクローズアップされることが予想されます。業界や会社独自の収益認識方法がとられている場合には、理論的に認められる方法なのか、念のため今から検討しておくのがよいと思います。
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