日本企業を狙う外資系ファンドがヤバすぎる…探偵を雇い、社長を追放に追い込む「驚愕の手口」(前編)
日本企業を荒らす外資系ファンド「オアシス」…その“情報統括役員”の「ヤバすぎる経歴」(後編)
香港系アクティビスト・ファンド、オアシス・マネジメントを取り上げた記事。
主に、オアシスに追放されたフジテック創業家の側からの情報に基づいているようです。(フジテック創業家による記者会見など→当サイトの関連記事)
「フジテックを追放された内山氏はこう吐露する。
「探偵に日常を監視されることを想像してみてほしい。私だけでなく家族のことまで調べ上げられた。自宅から出勤先まで尾行され、写真を何度も撮られる。息子の嫁はノイローゼになって泣き崩れ、家族は精神安定剤を飲んで屈辱の日々を送ってきたのです」
'22年5月にネット上で公表された「フジテックを守るために」と題されたオアシスのレポートには、内山家とフジテックの関連当事者取引が一覧となって示された。61ページにも及ぶレポートは創業家による会社の私物化を徹底的に批判するものだった。しかし、衆目を集めたのは、探偵による尾行と盗撮を駆使するオアシスの強引な調査手法だった。」
「オアシスの公表したレポートには、兵庫県西宮市の内山家の自宅の様子を写した写真が掲載された。創業家の自宅を掃除する男性の制服の胸元には「FUJITEC」のプリントがあり、その男性が軽トラックでフジテックの茨木事務所に帰っていくまでを尾行していた。創業家が社員を私用に使っているというわけだ(内山氏は「退職者をアルバイトとして雇用していた」と疑惑を否定)。」
「今年2月の臨時株主総会で送りこまれた4人の社外取締役は、オアシスのスパイのように行動したと内山氏側は主張する。オアシスの要求はエスカレートし、フジテックの岡田隆夫社長(当時)に宛てたメールで、内山会長追放を命じたのだった。」
「最終的にはすべての取締役がオアシス側に賛同し、3月28日14時から開かれた取締役会において、全会一致で内山会長を解任した。追放された内山氏は怒りに声を震わせた。
「取締役会で解任が議決されると『即出ていけ』と言われ、私物を整理する間も無く追い出された。20年間、会社のために尽くしてきたのに、よくぞこんな仕打ちができたものです」」
オアシスの前科を調べたそうです。
「オアシスの猛攻に沈んだフジテック創業家の内山氏は、支援者とともに反撃に出て、オアシスのセス・フィッシャーCIOの素性を調べた。内山氏側の関係者が言う。
「オアシスは、'08年には米国証券取引委員会(SEC)から空売り規制違反で排除命令を受けたほか、'11年には香港証券先物委員会(SFC)が、セス氏とオアシスに対して、'06年の日本航空の公募増資に絡んで計1500万香港ドルという過去最高水準の制裁金を課した。イスラエル出身で国防軍にも所属した経歴を持つセス氏は、モサド顔負けの諜報活動を展開する。そのうえで、疑惑を針小棒大に暴き立て、スキャンダラスに印象操作する」」
オアシスのやり方はほかの企業にも使われました。
「約18%の株式を握った北越コーポレーションでは、オアシスは岸本晢夫社長の再任に反対した。オアシスのキャンペーンサイトには、匿名の元社員を名乗る人物からの告発文が掲載されたが、それには岸本氏が「賭けゴルフに賭け麻雀」に興じていたという真偽不明の内容や「社長は独断で、私利私欲が猛烈」などと書かれていた。」
せいぜい、公私混同を極限までなくし、関連当事者取引をきれいにしておくぐらいしか、対抗策は思い浮かびません。
後編の末尾でふれているツルハの株主総会の結果は...
ツルハHD株主総会、会社側提案を可決…香港投資ファンドの株主提案はすべて否決(読売)
「香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」は、ツルハのコーポレートガバナンス(企業統治)に問題があるとして、元ユニーグループ・HD社長ら社外取締役候補5人の選任や、会長職の廃止など9議案を提案していた。」
ツルハ完全勝利を喜べない「株主イオン」の胸算用(東洋経済)
「結局はドラッグストア再編を促進させるのも停滞させるのも、カギを握るのはイオンである。投資ファンドの行動原理はシンプルで、金になりそうだと感じたら一気に株を買いに走り、損をしないよう立ち回る。一方でイオンの岡田元也会長は、経済合理性のみで判断するタイプではない。」