日本公認会計士協会は、会長通牒平成23年第3号「循環取引等不適切な会計処理への監査上の対応等について」を、2011年9月16日付で公表しました。
これは、「近年の事例を参考に、循環取引等が行われている場合に考えられる監査上の対応等について改めて整理」したものであり、「循環取引等が疑われる場合において会員がより適切な対応をとられるよう要請」しています。
「循環取引等」とは、「いわゆる循環取引に代表される不適切な会計処理」を指しています(循環取引だけではありません)。
「4.監査手続実施上の留意事項」が中心となっており、以下の項目ごとに留意点を示しています。
(1) リスクの評価
業界慣行、ビジネスモデルの経済合理性等、内部統制の不備、新規の取引、取引先に対する過度の信頼、不正のリスクへの対応、異常点等への対応、監査人交代に際しての前任監査人の情報
(2) 取引実態の把握
取引対象物の存在の確認、知的財産権の実態把握、権利、役務提供等の実態把握、不透明な支出の実態把握
(3) 残高等の確認
確認先の選定、確認状の回答、差異の調整、未回答先の代替手続、未発送先の代替手続、確認状の送付先、取引内容の確認、確認回答書の信頼性の検証
(4) 立会・現場視察
立会先等の選定、外部保管在庫等の現物確認の実施、仕掛品の現物確認等
(5) 外注先等への往査
(6) 専門家の利用
不動産の鑑定評価、開発型ソフトウェアの販売取引における内容確認
(7) 関係会社の監査
連結子会社の監査水準、親会社による子会社管理の内部統制、連結の範囲
(8) 異常性分析
(9) 異常点への対応手続
会計システム(総勘定元帳)と業務システム(補助簿)との金額の整合性の確認、異常な会計伝票の有無の確認
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