経産省で「企業情報開示検討分科会」という研究会(一橋大学の伊藤邦雄教授が座長、ASBJ委員長や金融庁の企業開示課長なども参加)をやっていますが、その議論の中で四半期報告制度の縮小の話が出ているそうです。
「これまでの議論では、「第1四半期および第3四半期については、四半期報告書を廃止し、四半期決算短信は任意開示としてはどうか」などの意見が出されている。」
企業情報開示検討分科会(経産省)
最新の第5回(1月16日)の資料はこちら。
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企業情報開示検討分科会(第5回)‐配布資料
四半期関連の資料はこちら。海外の制度が紹介されていますが、日本の現行制度は、最も厳しいようです。
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参考資料③(四半期開示関連、その他)(PDFファイル)
例えば英国の制度では・・・
開示を強化するような制度を導入する際には、効果とコストに配慮して、規模や時価総額が大きな企業から導入するというのが普通の考え方だと思われますが、日本の四半期報告制度(四半期レビューを含む)の場合は、全く逆でした。新興市場の取引所ルールとして始まったものが、コストをあまり検討することもなく、グローバルスタンダードだということで、一挙に法令化され、全上場企業に強制されてしまいました。
しかし、いまさら、1Qと3Qを廃止して2Qだけ残すなど、制度を縮小するというのは、どうなのでしょうか。企業の負担が軽くなるのはよいのですが、監査報酬は1割から2割減るでしょうから、会計士業界からするとたいへん話です。もちろん、開示が後退するという問題もあります。
また、もし制度を見直すのであれば、四半期財務諸表の会計基準や四半期レビュー基準と、中間財務諸表の会計基準や中間監査基準の関係を整理する必要があるでしょう。現行の中間財務諸表会計基準や中間監査基準は廃止し、四半期の会計基準やレビュー基準は国際的な基準に合わせて「中間財務諸表」(半期と四半期の両方を含む)の会計基準やレビュー基準という名称にするのがすっきりしています。
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