拓銀の破綻から20年が経って、銀行と企業の関係が大きく変わったという記事。
「「企業は危機がトラウマになっている」と指摘するのは京都文教大学の野崎浩成教授。巨額の不良債権を抱えた当時の銀行は自己資本を確保するために貸し剥がし・貸し渋りを行った。企業は銀行の借り入れに依存することのリスクを自覚し、銀行依存から脱却して直接金融の比重を高めることになった。」
「危機が「メーンバンク制」を弱めたとの見方もある。企業と最大の貸し手との長期的な緊密関係であるメーンバンク制は、戦後の経済発展を支えたとされるが、神戸大学の家森信善教授は「銀行との関係性ではなく価格(金利)で資金を集めることができるようになり、メーンバンクに依存する必要性が優良企業では低下した。その流れが危機で加速した」と分析する。危機以降、銀行と企業が長期かつ安定的な関係を築きにくくなったという。
10月に日銀がまとめた「金融システムリポート」によれば、企業の取引銀行数は00年代前半から一貫して増えている。企業と銀行の関係が分散しているのだ。
全国的に企業数が減る中で、新たな融資先を求めて銀行が営業を強化したためと見られている。企業が経済合理性だけを重視して複数の銀行から金利の一番低い銀行を選択することが常態化すれば、「企業とメーンバンクの間の取引関係が弱まり、中長期的には銀行の情報生産活動の停滞を通して資金配分の効率性が低下する可能性も考えられる」と同リポートは警告する。」
ここで我田引水をするなら、常に適正な企業開示を行って、メーンバンクに頼らなくても、資金調達が可能なようにしておくことが重要ということになるのでしょう。
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事