LIXILグループが、瀬戸欣哉社長がCEOを退任した経緯について、第三者の弁護士の調査結果を発表したという記事。
「焦点となっているのは18年10月開催の指名委員会。潮田氏(創業家出身)が委員を招集する際、瀬戸氏が退任の意向をもっていないにもかかわらず「CEOを辞任する意思を有しているかのような言動をした」と指摘。そのまま人事案が了承された。」
こんなことが許されるなら、指名委員会の意味がなくなるのでは...。
当社代表執行役の異動における一連の経緯・手続の調査・検証結果について(PDFファイル)
「当社の経営を巡る、潮田洋一郎氏(以下「潮田氏」といいます。)と瀬戸氏との間の意見対立は、従来より深刻に存在していた。」
「2018 年 10 月 26 日に開催された指名委員会は、同月 24 日から行われた日程調整の結果、その開催が決まった。潮田氏は、2018 年 10 月 26 日の指名委員会を招集するに際し、あたかも瀬戸氏が CEOを辞任する具体的かつ確定的な意思を有しているかのような発言をしたと考えられ、その発言内容は、瀬戸氏の意思に関する潮田氏の理解とも整合していない上、指名委員の誤解を招く可能性の高いものであったと考えられる。」
「潮田氏は、10 月 26 日の指名委員会での議論を踏まえ、同月 27 日、瀬戸氏に対して、電話で、自ら CEO に就任するのであればいつでも辞めると言っていたが、時期が来たため辞めてほしいと伝えた上で、同月 29 日に瀬戸氏に対して「諸事象を含めて論議した機関決定をくつがえすのは困難」との電子メールを送信している。この点について、潮田氏は、指名委員会で何らかの決定がなされたとは伝えていないと説明している一方で、瀬戸氏は、辞任するにしても 11 月 1 日は早すぎて混乱が生じると反対したが、辞任を求めることは同月 26 日の指名委員会で機関決定された事項であり、指名委員全員の総意であると潮田氏から説明されたため、最終的に CEO から辞任する旨の意思決定をした旨を説明しており、両者の説明には齟齬がある。しかし、上記電子メールの送信内容に鑑みると、潮田氏が瀬戸氏に対して CEO 等からの辞任を求めるに際して、指名委員会による決定が行われた旨及びその決定を覆すのは困難である旨の説明をしたと考えるのが自然である。」
潮田氏は、委員会に対しては瀬田氏が辞任する意向だと説明し、他方、瀬田氏に対しては、委員会が決めたことだから辞めなさいといっていたということになります。
LIXILのCEO交代、米ブラックロックや英マラソンが疑義(日経)(記事冒頭のみ)
リクシルグループ、プロ経営者がまた退任(2018年10月)(産経)
「前任の藤森義明氏(現日本オラクル会長)も退任しており、2代続けて「プロ経営者」が交代する事態となった。」
「日本は破綻するだろう」 リクシル潮田会長が日本嫌いの理由(文春オンライン)
「洋一郎氏は「日本で納税するつもりはない。いずれ国債は暴落し、日本は破綻するだろう」と公言して憚らない。だが、復権以降、国債より先に急落したのがリクシルの株価だ。洋一郎氏が嫌いな日本の株式市場は“趣味人経営者”を厳しく評価している。」
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