「ヤマト樹脂光学」という医療機器販売会社を巡る融資金詐取事件で、元社長が逮捕されたという記事。
「・・・同社は架空の取引の契約書を偽造して融資を申し込む手口で8金融機関から融資金計約1140億円を引き出しており、このうち約170億円が返済されていないという。
逮捕容疑は08年3月、りそな銀行(大阪市)の融資担当者に対し、大学病院などへの医療機器納入を受注したとする偽の契約書などを提出し、融資金40億円をだまし取ったとしている。捜査2課によると、「返済の当てはあった」と容疑を否認しているという。
ヤマト社は03年12月から同様の手口で融資金を引き出し、他の金融機関への返済に充てる「自転車操業」を繰り返していたとみられる。・・・」
こんな手口で銀行を4年以上だましていたとは・・・。
融資金詐欺:債権譲渡「通知やめて」 元社長、隠蔽工作(毎日)
「捜査関係者によると、08年3月ごろ、久保村容疑者は同行の融資担当者に、「借金をしていることが取引先に分かると会社の信用が落ちる」として、大学病院や学校法人側に売掛金の債権が譲渡されたことを通知しないよう要請したという。
しかし、ヤマト社は08年7月末、返済を延滞したため、同行が大学病院などに売掛金を担保にしていることを通知。病院側から「契約は結んでいない」と連絡があり、取引が虚偽だったことが判明したという。」
金融機関側の手続は妥当だったのでしょうか。
りそな銀から40億円詐取の疑い 元社長取り調べへ (日経)
融資を受けるときに虚偽の書類を提出したというだけでなく、決算も粉飾だったようです。
「捜査関係者によると、元社長は2008年、りそな銀に対し、架空の売掛債権を計上するなどの手口で業績を実態よりも良好に見せかけた決算書類などを提出し、約15億円を融資させ、詐取した疑いが持たれている。
ヤマト樹脂は08年3月期末の決算で売上高を約680億円と公表していたが、医療機器の架空契約などを積み重ねた水増しの数字で、実際の売上高は100億円ほどと巨額の粉飾決算を続けていたとされる。」
売上と仕入の両方を水増ししていたのでしょうか。
推測にすぎませんが、「架空売上と架空仕入を計上→架空売上に基づく架空売掛金を担保に融資を受ける(あるいは売掛金を債権譲渡して資金を得る)→その資金で架空仕入に基づく架空買掛金を決済したことにする→架空売掛金の回収に充当」というサイクルが雪だるまのように大きくなっていったのではないでしょうか。
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