会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

証券監視委がソルガム・ジャパンHDを強制調査 有報虚偽記載容疑(SankeiBizより)

証券監視委がソルガム・ジャパンHDを強制調査 有報虚偽記載容疑

金融庁の証券取引等監視委員会が、ジャスダック上場の「ソルガム・ジャパン・ホールディングス」に対して、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、強制調査に着手したという記事。

「関係者によると、平成29年3月期の有価証券報告書の「連結キャッシュフロー計算書」に虚偽記載の疑いがあることが判明したという。」

キャッシュフロー計算書の粉飾で摘発するというのは珍しい事例です。キャッシュフロー計算書は、たしかに重要な計算書のひとつではありますが、所詮、キャッシュの増減(前期と当期の貸借対照表が虚偽記載でなければ間違いようがない)を、営業、投資、財務の3区分に割り振るだけですから、粉飾といわれてもピンときません。投資キャッシュフローや財務キャッシュフローのプラス要素を営業に付け替えて、営業キャッシュフローを水増したといったことでしょうか。

会社のプレスリリース。「営業活動によるキャッシュ・フローの虚偽記載の疑義」とのことです。

証券取引等監視委員会の強制調査について

5月18日には、会計監査人の変更を公表したばかりでした。

会計監査人の選任に関するお知らせ

問題の有報。

第47期 有価証券報告書(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

継続企業の前提に関する注記がついています。キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローは、前期まで継続して赤字でしたが、この期は黒字になっています。「前受金の増減額」という項目が比較的大きく、前期よりも大幅増なので、このあたりが、注目点かもしれません(実質的には金融取引?)(ただし、BSの前受金も大幅に増えておりBSとは整合しているようです)。

ソルガム・ジャパンHD 粉飾決算の疑いで強制調査(テレビ朝日)

監視委の係官が段ボール箱を次々と運び出す様子が映っていますが、キャッシュフロー計算書の作成資料が、そんんにたくさんあるのでしょうか。

(補足)

営業キャッシュフローが、前受金の扱いの影響で、開示資料により異なっているという事例です。

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