不動産投資信託「プロスペクト・レジデンシャル」の運用会社が、不動産鑑定会社に対し、鑑定評価額を売り主の売却希望価格と同額以上になるように働きかけていたという記事。金融庁が業務改善命令を出しています。売り主は利害関係者だったようです。
「07年3月ごろ、マンションなど3物件について売却希望価格と同額以上の評価額を出すよう鑑定士に働きかけていた。さらに、5物件について売却希望価格を提示し、それに沿った評価を出す鑑定士を探し、鑑定を依頼していた。」
プロスペクト・レジデンシャル・アドバイザーズ株式会社に対する行政処分について(金融庁のサイトより)
金融庁は、「不適切な利益相反管理態勢」と「不動産鑑定業者に対する資料提供に係る善管注意義務違反」があったといっています。具体的には、不動産鑑定業者の独立性を損なう不適切な働きかけ、不適切な不動産鑑定業者選定プロセス、不動産鑑定業者に対し適切な資料を提供していないことが問題になっています。
金融庁のプレスリリースには「当社より、当該管理態勢や当該資料提供による物件取得時の鑑定評価への影響が無い旨の、不動産鑑定業者による意見書が提出されている」という注がついています。金融庁が会社の主張どおり、不動産の取得価額に問題はなかったと認定しているのかどうかはわかりませんが、もし、水増し鑑定により、水増しした金額で不動産を取得していたとしたら、会計上・監査上も重大な問題です。
国交省、三井不動産販売に行政指導=不動産鑑定に絡み
この記事によれば、鑑定士と鑑定士が所属する不動産会社も国交省の指導を受けています。
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