「保証業務実務指針3900「グリーンボンドの資金使途報告書に対する保証業務に関する実務指針」」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について
日本公認会計士協会は、保証業務実務指針3900「グリーンボンドの資金使途報告書に対する保証業務に関する実務指針」を、2022年7月21日付で公表しました。
「企業によるサステナブルファイナンスの中で発行件数・金額ともに相対的に大きく、監査事務所の保証実務として既に事例が存在し、今後拡大することが見込まれるグリーンボンドの資金使途報告書に対する保証業務を実施する際の実務上の指針として、取りまとめた」とのことです。
ただし、資金使途報告書に対して実施する保証業務以外の保証業務も考えられるとしています(A1項)。
適用範囲は、「監査事務所(監査事務所が支配している事業体を含む。以下同じ。)が行うグリーンボンドの資金使途報告書に対する保証業務」(1項)とのことなので、会計士(その支配している会社を含む)や監査法人(その子会社を含む)がやる場合は、この報告書に従わなければなりませんが、それ以外の組織がやる場合は、報告書に縛られることはないのでしょう。また、「監査事務所が支配している事業体」でも実施できるということは、会計士・監査法人の独占業務ではないということでしょう。
文例を見ると、合理的保証業務の場合と限定的保証業務の場合があるようです。前者は、「当監査法人は、×年×月×日における資金使途報告書が、全ての重要な点において規準に従って作成されているものと認める」という「意見」になり、後者は、「当監査法人が実施した手続及び入手した証拠に基づく限りにおいて、資金使途報告書が規準に従って作成されていないと信じさせる事項は全ての重要な点において認められなかった」という「結論」になるそうです 。
何がグリーンなのかの判断が必要になりそうですが、「本実務指針においては「グリーンプロジェクト」を定義していない」(A5項)、「グリーンプロジェクトのグリーン性を直接の保証対象として想定しておりません」(コメント対応表)とのことです。
適用は、公表日以後に行われるグリーンボンドの資金使途報告書に対する保証業務からとなります。