会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝会計問題、「不適切」が「粉飾」に変わるとき(日経ビジネスより)

東芝会計問題、「不適切」が「粉飾」に変わるとき
利益のかさ上げはいつ、誰が、指示したのか


東芝粉飾事件を取り上げた記事ですが、事件そのものよりも、背景となっている、同社の最近の経営状況などについて、解説しています。その中には、監査人が、米国での原発建設計画に関連する損失を計上させた話も入っています。

しかし、結論部分の「不適切会計」、「不正会計」、「粉飾」の違いについて書いた箇所はひどいと思いました。

「7月21日に発表が予定されている東芝の第三者委員会の調査報告書で「不適切な会計」が経営陣の指示による会社ぐるみの行為であったことが明らかとなれば、「不適切な会計」は「不正会計」に変わる。当局がその不正を立件すれば「粉飾事件」となり、オリンパス事件やライブドア事件と同列になる。」

この定義だと、非上場会社も含めて、日本には「粉飾」はほとんど存在しないということになります。また、上場会社では、過年度決算訂正を自ら公表する会社は増えていますが、会社ぐるみの不正があったので訂正すると公表している例はまれなので、「不正会計」もほとんどないということになります。

そもそも、新聞が、当局の判断に全面的に依拠するというのは、かなりおかしな話です。東芝がそうだというわけではありませんが、実質的にオリンパス事件と同列なのに、当局が立件しなかった場合、日経は粉飾決算と呼ばないのでしょうか。

4167139235もう、きみには頼まない―石坂泰三の世界 (文春文庫)
城山 三郎
文藝春秋 1998-06-10

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