スルガ銀行が、「新経営システム」の開発を中止せざるを得なくなったとして、委託先である日本IBMに111億700万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたことを取り上げたコラム記事。
「勘定系システム基盤NEFSSの上にFIS(元はALLTEL)の業務パッケージCorebankを載せ、さらに不足する日本の銀行用諸機能は別途日本IBMがパッケージとして開発する」というややこしい条件のプロジェクトであったためうまくいかなかったのではないかといっていますが、会計的には、こういう契約の場合、工事進行基準が適用されるのだろうかという点が気になりました。
ASBJの工事契約会計基準では、受注制作のソフトウェアに関しても適用範囲となっています。しかし、設計図にもとづいて製作・工事していけばほぼ確実に予定していた成果物が得られるというのならともかく、できあがるかどうかについて相当リスクが高く、かつ、リスクを発注者でなく、ソフトウェア会社側が負うということであれば、完成したときに収益を計上するのがいいのかもしれません。もちろん、この記事のケースでは訴訟になるくらいなので、リスク負担に関する契約の解釈にもかかっているのでしょう。
「工事契約に関する会計基準」および「工事契約に関する会計基準の適用指針」のポイント
実践工事進行基準の戦略的活用手法―新会計基準に対応する経営革新をどう進める!
東海 幹夫 若松 昭司
建設産業経理研究所 2008-03
売り上げランキング : 16243
Amazonで詳しく見る by G-Tools
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事