LIXILグループが2015年3月期決算公表の延期を発表したという記事。「独連結子会社「JOYOU」で特別監査を実施中で手続きが終了していないため」とのことですが、問題の会社は、買収したドイツの会社の子会社のようです。
LIXILグループ、中国子会社を特別監査へ(日経)
「ジョウユウの直接の親会社で、LIXILグの連結子会社の独グローエから「純資産や利益などが間違っている可能性がある」と報告を受けたため」特別に監査するとのことです。
「ジョウユウは中国で創業した水栓金具メーカーで、独グローエが2011年7月に連結子会社にした。」
ということは、このグローエの連結決算もおかしかった可能性があるということでしょうか。
平成 27 年3月期決算発表の延期に関するお知らせ(5月1日)(PDFファイル)
海外連結子会社における検証に関するお知らせ(4月27日)(PDFファイル)
「当社の連結子会社である Joyou AG(本社:ドイツ、フランクフルト証券取引所上場、以下、Joyou)は、本日、同社の監査役会(supervisory board)において、同社の純資産、財政状態及び利益の状況がこれまで正しく報告されていたかを検証し、全ての事実関係を明らかにするために、監査人及び法律顧問による特別監査を実施することを決定しました。」
GROHE Group S.a r.l.社等の連結子会社化完了に関するお知らせ(4月2日)(PDFファイル)
Joyou AGはグローエの上場子会社なので、たぶん「LIXIL→グローエ(ドイツ)→Joyou AG(ドイツ)→中国で実際に事業を行っている会社」という支配関係なのでしょう。監査的には、Joyou AGはドイツの監査事務所が監査報告書を出していたのでしょうが、他の監査人(構成単位の監査人)として、中国の会社の監査人を利用していたのでしょう。グループ監査の問題といえるかもしれません。まがりなりにもドイツで上場しているわけですから、決算が怪しいというのは想定外でしょう。
LIXILとしては、まず、グローエを買収した時(子会社化は今年4月、それ以前は関連会社)の買収価額の配分の問題ということになるのでしょう。粉飾があったとして、その部分の金額は損失計上するのか、のれんに含めてしまうのかはよくわかりません。子会社にしたのは4月でも、それまで持分法を適用していたでしょうから、2015年3月期にも影響してきます。
Joyou AG: Special Audit; Management Board/Management
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フタバ産業:3月期決算発表を延期(毎日)
「関連会社に対する投融資や債権の評価に関して、会計上の見積もりが誤っている可能性が判明し、決算を確定する作業に時間がかかる見通しとなったため。」
監査法人から何か言われたのでしょうか。
平成 27 年 3 月期 決算発表の延期に関するお知らせ(フタバ産業)(PDFファイル)
「当社では 4 月 27 日の発表に向けて準備を進めてまいりましたが、持分法非適用関連会社の平成26年3月期の決算数値がいまだ確定しない状況を受け、当該関連会社の財務数値の精査を行っております。その結果、当社の保有する当該関連会社への投融資並びに債権の評価等に関して会計上の見積りの誤り(誤謬)が発生している可能性が判明したことから、決算確定作業に時間を要する見込みでありますので、決算発表を延期させていただきます。」
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