東証2部に上場していたIT関連企業「アイ・エックス・アイ(IXI)」(民事再生手続き中)の粉飾決算事件で、大阪地検特捜部と証券取引等監視委員会が合同で、IXI本社や取引先など十数か所について、特別背任や証券取引法違反の容疑で捜索を始めたという記事。
「取引の形態は、日本IBMがコンピューターソフトウエアなどを東京リースに発注し、東京リースは複数の別のIT企業に一部を下請け発注、これらをIXIが取りまとめ製品化する。IXIは日本IBMが東京リースに支払う債務を引き受ける契約だったが、実態は、IXIや別のIT企業との間で帳簿上だけ製品が転売される架空循環取引を繰り返していた。」
こうした取引先と共謀した架空取引は、残高確認や証憑突合だけではなかなか発見できません。監査人はクライアントの事業をよく理解して、取引の裏にある実態まで把握できるようにならなければいけないわけですが、簡単なことではありません。特にこの事件では、東京リースや日本IBMといった一流会社も登場しているため、もっともらしい取引のように見えたのかもしれません。
さすがに2006年9月中間期には、架空取引がうまく循環しなくなり、いろいろとつじつまが合わないところが出てきて、監査人もおかしいと気付いたようですが、売上が急増した2006年3月期で不正を発見できるきっかけはなかったのか、今後問題になってくるでしょう。
さまざまな報道を読む限り、この事件では、東京リースが各取引グループの資金源になっていたようです。東京リースはこの架空取引の被害者でもありますが、不正な取引のために資金を提供していたという意味では、共犯ともいえます。
株式会社アイ・エックス・アイとの取引内容と当社対応についてのお知らせ(PDFファイル)
<架空循環取引>破たんのベンチャー、IXIが粉飾決算か
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