会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「データ分析に焦点を当てた、監査において増加するテクノロジーの利用の調査」(IAASB)

【IAASB】データ分析ワーキング・グループによるコメント要請(日本公認会計士協会のサイトより)

国際会計士連盟の国際監査・保証基準審議会から、「データ分析に焦点を当てた、監査において増加するテクノロジーの利用の調査」(原題:Request for Input “Exploring the Growing Use of Technology in the Audit, with a Focus on Data Analytics”)という文書が公表されています。

IAASBのデータ分析ワーキング・グループが、財務諸表監査におけるデータ分析(データ・アナリティクス、data analytics)の利用に関する機会と課題を検討した結果をまとめもので、これを材料として、コメントを募集しています。

data analyticsというのは、日本のトーマツがAudit Analytics、あずさがData & Analyticsといっているものと、ほぼ同じだと思います(各事務所でアレンジしているとは思いますが)。

原文はこちら。

Exploring the Growing Use of Technology in the Audit, with a Focus on Data Analytics

This Request for Input from the International Auditing and Assurance Standards Board (IAASB)’s Data Analytics Working Group (DAWG) provides insights into the opportunities and challenges with the use of data analytics in the audit of financial statements and outlines the insights gained from the DAWG’s activities to date.

詳しく読んではいませんが、報告書の中の図を見ると、監査基準や従来の実務における監査のプロセスや監査手続の中で、data analyticsをどのように位置づけるのかという点が難しそうです。

分析的手続の枠内に収まるものではなく、リスク評価、分析的手続、実証手続、統制テストといった、監査のプロセスの多くに関わってきます。


(7ページより)

監査手続的にも、外側に書かれている質問、再実施・再計算、確認、実査、立会、実証的分析的手続など、従来からある手続との関係はどうなるのでしょうか。データ分析だけで完結するわけではなく、最終的には、財務諸表の数字を確かめる実証手続に結びつかないといけないわけですが、そこがうまくいくのでしょうか。


(13ページより)

会計士協会や大手監査法人におけるさらなる研究を期待します。

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