会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

Tモバイルとスプリントの合併、巨大なジャンク債発行体が誕生へ(ブルームバーグより)

Tモバイルとスプリントの合併、巨大なジャンク債発行体が誕生へ

TモバイルUSとスプリントの統合を取り上げた記事。統合後の会社は大きな債務を抱えるようです。

「4月29日の共同プレゼンテーションによると、業界3位と4位の両社の債務総額は最大770億ドル(約8兆4200億円)に上る。スプリントの債務がレバレッジを高めることから、Tモバイルの債務格付けは既に米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスとS&Pグローバル・レーティングから格下げ方向で見直しとされている。一方、スプリントはより大きな資産基盤へのアクセスや流動性状況の改善につながるため、投機的格付けの中で格上げとなる可能性もある。

ムーディーズは有利子負債/EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)倍率で定義するレバレッジについて、合併後1年で4.9倍でピークを付けた後、4倍未満に下がると予想している。

ギミー・クレジットの債券アナリスト、デーブ・ノボセル氏は「そのようなレバレッジが悪いとは必ずしも言えないが、Tモバイルの現状に比べてかなり高い」と指摘。合併後の会社は最大770億ドルの債務を抱えることになるが、230億ドルのEBITDAの見通しで幾分緩和され、「そのような尺度でみれば、それほど怖いことではない」と述べた。」

日経などを読むと、借金まみれのスプリントがソフトバンクグループの連結から外れて、ソフトバンクは財務改善になるといっています。しかし、連結から外れても、巨額の投資を行っている先が、大きな借金を抱えていることにかわりはありません(統合の相手先の方がましなので少し薄まるかもしれませんが)。支払利息も支払利息としてはなくなっても、持分法利益の中に反映されます。

もちろん、統合によって、収益性が向上し、また、子会社でなくなったことにより撤退することも容易になるので、ソフトバンクにとって将来的にはプラスになる可能性はあるのでしょう。

スプリントとTモバイル合併合意 「5G」に4.3兆円投資 ソフトバンク、財務改善へ(日経)(記事冒頭のみ)

「スプリントがソフトバンクの連結対象から外れることで、同社の財務や業績は大きく改善しそうだ。スプリントの有利子負債は17年末時点で4兆1千億円と、ソフトバンク連結全体(約14兆7000億円)の3割近くに上る。スプリントは利払い費が年2700億円に上り、最終赤字が続く要因となっていた。」

ソフトバンク、米通信「経営権」手放した理由
孫正義氏は「携帯事業」への興味を失ったのか
(東洋経済)

孫正義に「スプリント経営統合」決意させた“5G問題”、Tモバイル接近の背後にあるもの(Business Insider)
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