日本公認会計士協会は、監査・保証実務委員会報告「四半期レビューに関する実務指針」の公開草案を、2007年9月13日に公表しました。
金融商品取引法により新たに導入される四半期報告制度のもとで行われる四半期レビューのための実務的指針となるものです。
以下のような内容になっています(目次より)。
Ⅰ はじめに
Ⅱ 四半期レビューの目的
Ⅲ 四半期レビューにおける一般基準
Ⅳ 四半期レビュー契約の締結
Ⅴ 四半期レビュー手続
Ⅵ 経営者等への伝達と対応
Ⅶ 四半期レビュー報告書
Ⅷ 四半期レビュー調書
Ⅸ 四半期レビューに際してその他の留意事項
Ⅹ 適 用
付録1 四半期レビュー報告書の文例
付録2 経営者確認書の記載例
四半期報告制度は来年から導入ですが、3月決算だと第1四半期が2008年6月ですから、2008年3月期の決算や監査と平行して準備しないと間に合わなくなります。特に、監査人の方は四半期レビューを制度として行うのはまったくはじめてですから、今走っている決算期のうちに計画を立てておかないと、重要な手続が抜けてしまったり、逆に、監査の延長線上で考えて、やたら細かくみたりという事態におちいりかねません。
監査人としては、どういう手続を行えばレビューで求められる消極的保証を与えることができるのかということが心配ですが、公開草案では、以下の手続を挙げています。
・過去に発生した訂正済又は未訂正の虚偽の表示の検討
・議事録の閲覧等
・経営者とのディスカッション
・質問及び分析的手続
・会計記録に基づく作成(四半期財務諸表と総勘定元帳、連結精算表等との突合を行い両者が一致又は調整後一致することにより、四半期財務諸表が、年度の財務諸表の作成の基礎となる会計記録に基づいて作成されているか否かを確かめる手続)
・追加的な手続(重要な点において適正に表示していない事項が存在する可能性が高いと認められる場合、又は疑義が生じた場合に行うというように、ごく限られた場合にのみ行うことを想定しているようです。)
・後発事象に係る四半期レビュー手続
・継続企業の前提に係る四半期レビュー手続
この中では、当然のことながら、質問と分析的手続について、ある程度詳しく説明しています。
このほか、子会社等に対する四半期レビュー手続や他の監査人の利用についてもふれています。
また、これらの手続の計画を策定する際には、企業及び企業環境(内部統制を含む)の理解が必要となります。前年度の監査における理解を更新すればよいとされていますが、監査人交代の場合などは少し難しいかもしれません。
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