東証1部上場の消費者金融業界中堅クレディアが、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されたという記事。
「過払い利息の返還に備え多額の引当金を積み増すなどして財務状況が悪化」したとのことですが、2007年3月期の有報をみるとたしかに約200億円の利息返還引当金を計上しています。しかし、それで債務超過になったわけでもなく(自己資本比率約11%)、また、引当金を積んだからといってキャッシュが出ていくわけではありませんから、唐突な感じはします。
ただ、「同社は4月下旬以降、新規の貸し付けを停止していた」ということなので、事業の重要な部分が継続できなくなっていたことになります(「中小企業向けローンビジネスへと業態転換」を図っていたとのことですが)。ゴーイングコンサーンの注記はつけていないようですが、つけるかつけないかのグレーゾーンだったのでしょう。
消費者金融会社の9月中間期の監査は厳しくなりそうです。
準大手の消費者金融
東証1部上場
株式会社クレディア
民事再生法の適用を申請
負債757億800万円
補足
民事再生手続開始の申立てに関するお知らせ(会社のプレスリリース)
これによると「新規の資金調達が困難となり、今後支払期限を迎える債務の返済の目途が立たない状況」になったとのことです。末尾に出ている業績推移をみると、最近では赤字になったのは2007年3月期だけであり、継続的な損失発生という状況ではありませんが、1期だけにしても赤字の額が大きすぎます。
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