6月12日に開催された金融庁企業会計審議会の総会・企画調整部会合同会議の模様を伝える記事。役所の年度替わりが近づいているせいか、来週にもIFRS適用に関する報告書案が検討されるようです。
「来週、開催する合同会議で、IFRSに関わる一連の議論をまとめた報告書案を提示する予定だ。金融庁は「報告書でIFRSの強制適用(アドプション)についても書かないわけにはいかない」として、強制適用についても何らかの形で言及する考えを示した。」
今回の会議のテーマは、前回と同じ「(1)IFRS任意適用要件の緩和、(2)IFRSの適用の方法(エンドースメント/カーブアウト)、(3)単体開示の簡素化」だそうです。
記事によれば(1)の任意適用については、ほぼ決まりそうです。上場の有無や、海外に資本金20億円以上の連結子会社を持つかどうかは、要件から外されます。
(2)の「自国で受け入れられないIFRSの基準を除外するエンドースメント/カーブアウト」については前回反対意見が多かったようなので、ひっこめるのかと思えば、金融庁はやりたいようです。
「(2)について、一部の基準を修正できるエンドースメントの仕組みが必要であり、「エンドースメントされたIFRSは、日本が考える『あるべきIFRS』を国際的に示す」前向きの取り組みとする案を示した。加えて、エンドースメントIFRSは強制適用を前提としたものではなく、あくまで任意適用企業を対象としたものである、カーブアウトまたは修正する項目は「合理的に説明できる範囲に限定すべき」、といった方向を示した。」
自社の財務諸表を使って「日本が考える『あるべきIFRS』」を全世界に発信したいというような奇特な会社があるのでしょうか。よくわかりません。
もちろん、実務的に難しそうな点(例えば、日本版IFRSで修正されたとして開発費の扱いなど)を回避できるということで、J-IFRSを適用する会社もあるかもしれませんが、それは、「『あるべきIFRS』を国際的に示す」というような恰好の好い理屈からではないでしょう。
(3)の単体開示の簡素化もほぼ決まりのようです。
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