会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

8独立行政法人:535億円回収不能 出資先が経営破たん(毎日より)

8独立行政法人:535億円回収不能 出資先が経営破たん

8つの独立行政法人の出資先が経営破綻に陥り、多額の出資金が回収不能になっているという記事。会計検査院の検査により判明したようです。

「検査院は、業者に出資している9独法を対象に、2003~12年度の運営状況などを調査。その結果、8独法の出資した92業者のうち89業者が清算や解散に追い込まれ、出資金計約535億円が回収不能になっていることがわかった。

 回収不能額が最も大きかったのは農研機構で約240億円。ホタテの不要物を使った食品開発などを手がける業者に出資したが、他社との競争激化で経営不振に陥り清算に追い込まれるなど、1986~05年度に出資した42業者のうち39業者が破綻。出資金約253億円のうち約9割が回収不能になった。

 製薬会社や大学の新薬開発支援などを行う「医薬基盤研究所」(大阪府茨木市)は87~03年度、14業者に約231億円を出資した。研究所によると、14業者のうち一つは、ヘルペスの抗ウイルス薬開発を手がける会社だが、治験段階で副作用があることが分かり、開発中止に追い込まれ、会社も清算された。研究所は「残る13業者については資料が残っておらず詳細が分からない。検査院の調査結果は真摯(しんし)に受け止めている」としている。」

独法は法定監査の対象ですが、会計処理が適切に行われていたのかについても気になります。

独法出資の535億円焦げ付き 出資先6割超が累積赤字(朝日)

こちらも同じニュースソースだと思われますが、回収不能ということではなく、出資継続の意味がなくなっているケースを主に問題にしています。

2独法の出資を問題視 検査院「回収検討を」 (日経)

「医薬基盤研究所は、遺伝子治療製剤の研究開発を目的にディナベック研究所(茨城県)に約53億円を出資していたが、同社は事業の中核を04年に別会社に移しており、計画が大幅に変更されていた。

 また農畜産業振興機構は、「よつ葉乳業」(北海道)に出資。同社は出資の目的としていた国産ナチュラルチーズ部門の事業を継続し、12年度末の利益剰余金が約238億円と経営も好調だったが、機構側は出資金回収の基準を設けずに出資を続けており、総額は約9億円に上っていた。」

国民から預かっている資金を有効に活用しようというインセンティブがないのでしょう。

独立行政法人における関連法人の状況について」(会計検査院)
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