食品素材メーカー、日本食品化工(東証スタンダード)で、管理職の社員が約10年間にわたって約3億円を着服していたという記事。
「日本食品化工の発表によりますと、富士本社で経理部門の管理職だった社員は、ことし8月までの約10年間にわたって、会社の金庫に保管されていた現金を持ち出した上、管理していた小切手やキャッシュカードを使って会社の口座から現金を引き出し、会社の資金3億800万円を着服したということです。
この社員は不正の発覚を免れようと、会計システムに原材料費や経費などと架空の費用を入力していて、着服した金のほぼ全額を私的に使い込んでいたということです。」
現預金の管理とコストの管理の両方に問題がありそうです。
不正発覚自体は10月末に開示されています。
当社元社員による不正行為事案の発生について(日本食品化工)(PDFファイル)
「本年 8 月に全役職員を対象に実施した社内調査において、複数名より不適切な会計処理が行われている疑いがある旨の指摘があり、それを受け内部監査を実施したところ、当社経理部門管理職の元社員(以下「当該社員」という)が、2012年から2022年までの約10年間にわたり、不正な会計処理により当社銀行口座から現金を引き出し、これを私的用途に使用していたことが発覚しました。被害金額の総額は 308 百万円となります。」
第2四半期報告書の注記でもふれています。
2023年3月期 第2四半期報告書(日本食品化工)(PDFファイル)
「(追加情報)
(当社元従業員による不正行為について)
2022年10月31日に公表した「当社元社員による不正行為事案の発生について」に記載の通り、2012年以降、当 社元社員が会社資金を着服する不正行為が発覚いたしました。これを受けて、当社は、弁護士、公認会計士の外 部専門家及び監査等委員である取締役(独立社外取締役)を主要な構成員とする社内調査委員会を立ち上げて調 査を実施しました。 当該不正行為について、着服に関わる求償額308百万円を投資その他の資産の「その他」として計上するとと もに、同額の貸倒引当金繰入額を営業外費用として計上しております。また、不正発覚による修正申告に伴う過 年度法人税額等59百万円を法人税、住民税及び事業税に含めて計上しております。」
過年度決算は訂正しないのでしょう。