会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

オイシックス、シダックスへ異例TOB 4者の思惑 筆頭株主と未契約、成立見込み立たず(日経より)

オイシックス、シダックスへ異例TOB 4者の思惑 筆頭株主と未契約、成立見込み立たず(記事冒頭のみ)

シダックスに対するオイシックスのTOBについて解説した記事。

大株主である創業家(33.49%保有)とユニゾン・キャピタル(投資ファンド、2019年に資本参加)(27.02%保有)の間で、株主間契約を結んでいるというのがポイントのようです。

「オイシックス・ラ・大地がシダックスへのTOB(株式公開買い付け)を30日から始めた。買い付け価格が株価を大幅に下回るディスカウントTOBにもかかわらず、応募を見込む筆頭株主と契約を結べていない。シダックス取締役会の賛否も未定で、現時点では成立する見込みが立っていない。異例のTOBの背景には、創業家を含めた4者の思惑がある。」

創業家・ユニゾン間の株主間契約は、創業家か創業家が指定した相手に、定められた価格でユニゾンの保有株を売却するという内容だそうです。6月に、この契約に基づき創業家側は、オイシックスを売却先に指定し、その売却価格に基づきTOB価格が決まったそうです。

ユニゾンは、株価を下回るような価格で売却したくないが、他方、売却しないと株主間契約に違反していると訴えられるリスクもあるという、おもしろくない状況に追い込まれているそうです。

そこで、オイシックス以外から、フードサービス事業の買収提案(シダックスにとって好条件のもの)がある、これは未公表の重要事実にあたる可能性があり、今回のTOBはインサイダー取引規制に違反する可能性があたるなどと指摘して、抵抗しているそうです。

ちなみに、直近の四半期報告書(2022年4-6月)の「経営上の重要な契約等」で、この株主間契約が開示されているかどうか見てみましたが、「シンジケートローン契約」に関する説明しかありませんでした。

オイシックス・ラ・大地株式会社による当社株式の公開買付けに関するお知らせ(8月29日)(シダックス)

「本日、オイシックス・ラ・大地株式会社(以下「オイシックス社」といいます。)により、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を開始する旨のプレスリリースが公表されています。本公開買付けの公表は、オイシックス社による 2022 年6月 29 日付「シダックス株式会社の株式の取得に関するお知らせ」で公表時に未定であった当社株式の取得方法の公表であり、当社はオイシックス社より事前に連絡を受けております。

その一方で、2022 年6月 29 日公表の「当社の B 種優先株式又は普通株式の取得に関する連絡の受領について」に記載の通り、当社のフードサービス事業の成長戦略として複数のアライアンス候補先との協業の検討を進めていく上で、本公開買付けが、今後の協業先の検討に与える影響を評価する必要があり、また、少数株主の利益拡大に資するかどうかについて慎重な判断が求められる中、本日現在、当社取締役会の本公開買付けへの賛否の表明および株主の皆様への応募の推奨・非推奨の結論が出ていない状況です。 」

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