国税庁ウェブサイトのリニューアルについて専門家にインタビューした記事。
「リニューアルされたばかりの国税庁ホームページで、ユーザーが必要な情報になかなかたどり着けない混乱がつづいている。「利便性向上を図る」ためのリニューアルだったが、サイト内検索して表示される古いURLをクリックすると、10秒後にはトップページへ自動的に移動してしまうのだ。
ちょうど新年度がはじまる時期と重なったことや、十分な告知がなかったこともあり、国税庁ホームページで調べものをしようとしていたユーザーや企業に影響が相当に出たようだ。まさに「ユーザー不在」のリニューアルといえるかもしれない。」
「――今回の国税庁ホームページのリニューアルをどう見ましたか?
さまざまな分野のサイトを見てきていますが、ふつうはありえません。個別のURLにリダイレクトをかけないということは、昔はチラホラありましたが、ウェブ制作側にもSEO(検索エンジン最適化)上どれくらいの損失になるか、という情報が広く行き渡っているので、最近はあまり見なくなりました。このように大きなサイトでは極めて稀なケースです。
――どんなデメリットがありますか?
なにか特殊なことが起きなければ、検索順位が大幅に落ちてしまいます。検索はインターネットの一部で、必要不可欠の存在だと思いますが、公共機関の情報がまともに検索できないようにしてしまうのはありえないことと思います。ユーザー、つまり国民に非常に迷惑がかかります。
国税庁ホームページには、正確で、そのサイトにしかない情報が掲載されていました。もちろん公式がすべてではありませんが、「税金」という信頼性が重要な情報にたどり着けないということは、ユーザーの不安を煽ってしまいます。
そして、ユーザーは、サイトの中で探すために時間を浪費することになりました。過去に国税庁のページにリンクをしたブログやニュースサイトの記事からも飛べなくなりましたので、それも多くの人を悩ませつづけることになります。」
「公共機関のサイトのリニューアルが、普通のウェブ制作会社であれば当然のようにおこなう検索への配慮をおこなわないまま公開されたのは大きな問題と思います。反面教師として、URLを変えたら変更元から変更先へリダイレクトをおこなうことを注意していただきたいです。」
会計士協会ウェブサイトのリニューアルにもほぼすべて当てはまるのでは。
予算を節約したのか、誰も気がつかなかったのか、あえて過去の情報を見えにくくしたのか、有料データベースに誘導したいのか等、事情はよくわかりませんが、おそらく、会計士協会も国税庁並のお役所なのでしょう。民間企業なら、わざわざ外部からのアクセスをしづらくして、大変な労力とお金をかけて情報を蓄積し、外部アクセスを増やしてきた(それによって協会の評判も高まったはず)のを無駄にすることはないでしょう。
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