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井脇議員の財団法人、系列学校に損失かぶせる 簿外処理

asahi.com(朝日新聞社):井脇議員の財団法人、系列学校に損失かぶせる 簿外処理 - 社会

自民党の衆院議員が理事長をしている学校法人と財団法人との間で、不明朗な会計処理が行われていたという記事。

問題の学校法人は「国際開洋学園」、財団法人は「少年の船協会」です。

「井脇氏側の説明などによると、少年の船協会は88年、自前で研修船を運航しようと青函連絡船の檜山丸を買って改造、「21世紀号」と名付けた。その際、金融機関から約8億円、学園側から約3億6千万円の融資を受けたが、事業は失敗。船は99年に6千万円で韓国企業に売り渡した。しかし、学園側への返済は2千万円余しかなく、残りの約3億4千万円を回収不能と判断した学園側は05、06年度に全額を損失処理した。

学園側はこの処理まで3億4千万円を貸付金として資産扱いし、所管の静岡県にも報告していたが、協会が所管の厚生労働省に提出した帳簿には、学園側の貸し付けに見合う負債が記載されていない。一方で、同じ船絡みの負債でも金融機関からの負債は正しく載せていた。」

「学園には、校舎建設などで日本私立学校振興・共済事業団と住宅金融支援機構から公的融資が投入され、その残高は7億円以上ある。さらに学校の所在地である静岡、和歌山両県からは07年度に計約7千万円の補助金も受けている。」

いうまでもなく、財団法人側は、無謀な事業に投資したことと会計処理の面で負債を簿外にしていたこと、学校法人側は、理事長の関係している別の法人(関連当事者に当たるはず)に多額の貸付を行い、それを焦げつかせてしまったことが大問題です。学校法人は公的融資や補助金を受けているわけですから、間接的に税金が流用されたことにもなります(形式的には定められた使途に支出されているとは思いますが)。

同じ公益法人でも、税金の投入を受けずに黒字を確保している漢字検定協会の方が(ガバナンスの面で問題はありますが)はるかにましだといえます。

それにしても、公益法人絡みの事件が続けて報じられているのは何か意図的なものがあるのでしょうか。
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