シェアハウスを運営するスマートデイズが経営破たんした問題は、「スルガ銀行事件」に移行しそうだという記事。
「その収益力に注目する森信親金融庁長官が、かねて「特異なビジネスモデルで継続して高収益をあげている」と評価。それが、投資用不動産購入資金を融資するパーソナルローンで、この5年で急拡大、17年末には9000億円を突破した。
つまり、スマートデイズの創業からの急成長は、スルガ銀行の与信とセットになっているわけで、同社が仲介したオーナーの被害金総額は1000億円を超えると見られており、「貸し手責任」は免れない。」
「早くからこの事件に関わり、3月末に集団提訴した被害者代理人の加藤博太郎弁護士は、次のような見解を示す。
「本件のスキームは、スルガ銀行なしには成り立ちません。破たんする可能性を認識しつつ、回収できると思ったし、貸すメリットがあるから貸した。しかも、高額な物件を売りつけておカネを抜き、最後は計画倒産するような詐欺的スキームはほかにもあって、そこにもスルガ銀行は貸している。銀行全体の問題というしかありません」
確かに、スマートデイズが中核としていたのは横浜東口支店だが、同様の審査資料の改ざんは、渋谷、新宿、二子玉川などかなり数の支店で行われており、それは他のサブリース業者も同じ「スルガ銀行利用スキーム」を持っているからだ。」
スマートデイズには「黒幕」がいるのだそうです。
「この人物は、バブル期に格安ガソリンを手がけて一世を風靡。その後は、アダルトビデオの安売りレンタルチェーンを全国展開するものの、風営法違反で逮捕されたこともある。ブームを仕掛け、一挙に事業展開、最後は自転車操業に追い込まれて破たんというのがいつものパターンだった。
加藤弁護士が続ける。
「(黒幕とスルガ銀行は)相互に補完する関係にあったのでしょうが、利用しようとして始めたスキームが、ここまで大変なことになるとは思っていなかったでしょう。ただ、事件化で、計画倒産させた詐欺まがいの連中が罪に問われるのはもちろん、後ろにいて一緒にビジネスモデルを築いたスルガ銀行の責任も問われてしかるべきです」」
金融庁長官といえども、企業や事業の実態を見抜く力はなかったということでしょう。ちょっと危ないところがあるぐらいの情報は、長官のところにもあがっていそうなものですが、忖度があって、届かなかったのでしょうか。
スルガ銀「書類改ざん知りながら融資」 不正巡り調査 シェアハウス破綻で(日経)(記事冒頭のみ)
「女性専用シェアハウスへの投資を巡るトラブルで、大半の所有者に融資したスルガ銀行は、11日までに新たな社内調査の結果をまとめた。販売業者が借り入れ希望者の年収や預金額を水増しし、融資を受けやすくしたことについて「審査書類の改ざんを知りながら融資した」との回答があった。こう答えた行員は数十人規模に上るようだ。」
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