会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

中国・新興カフェ、創業トップの刑事責任追及へ(東洋経済より)

中国・新興カフェ、創業トップの刑事責任追及へ
ケイマン籍・米国上場でも中国法で処罰可能


米ナスダック市場に上場する瑞幸咖啡(ラッキン・コーヒー)の不正会計事件をめぐり、中国当局が経営者の刑事責任を追及する動きがあるという記事。米国上場会社の不正事件ですが、中国の法律で取り締まるようです。

「内情に詳しい複数の関係者によれば、中国国家市場監督管理総局と中国財政省が相次いでラッキンの調査に着手し、陸氏が粉飾を指示した電子メールなど多数の証拠を押さえたという。同社は5月12日、CEO(最高経営責任者)の銭治亜氏とCOO(最高執行責任者)の劉剣氏の解任を発表したが、陸氏は董事長の座にとどまっていた。

ラッキンは登記上の本社は英領ケイマン諸島で、上場先はアメリカだ。中国の証券監督当局による直接の監督対象ではない。だが今年3月1日に施行された「改正証券法」は、「中国国外での証券発行およびその取引によって中国国内の市場秩序を乱し、国内の投資家の合法的権益に損害を与えた場合は、本法の規定に従って法的責任を追及する」と新たに規定した。

「この条文は、ラッキンのような企業に対しても中国の関係当局が管轄権を持つことを意味する。なぜなら経営実体はすべて中国国内にあるからだ」。当局に近いある関係者は、財新記者にそう解説した。この関係者によれば、ラッキンに対しては改正証券法だけでなく「会計法」の罰則も適用可能だという。」

米中対立という背景を考えると、中国企業は中国当局が厳しく監督するから、米国当局がいろいろと注文をつけて、中国企業を閉め出すようなことをしないでくれということでしょうか。

また、この記事を読むと、中国監督当局も、それなりの調査能力を有しているようです。会社が設置した調査委員会の調査結果にたよりきりのようにも見える、日本の監督当局と比べて、どちらの実力が上なのでしょうか。

〔チャイナマネー〕中国企業、米上場計画を相次ぎ棚上げ 米中の緊張激化で(ロイター)

「中国企業は、米中関係の緊張の高まりを受け、米国での上場計画を相次いで棚上げしている。中国勢の米上場に関与する弁護士や銀行関係者、会計士、規制当局者がロイターに明らかにした。

とりわけ上場準備の早い段階で中国企業の関心が薄れるケースが多くあり、背景には米上院で可決された、中国企業の米上場を難しくする内容の法案や、中国のコーヒーチェーン大手・ラッキンコーヒーの不正会計問題を受けた中国企業への監視強化がある。」

監査調書が、米中対立の論点の1つとなっています。

「米国の証券取引所に現在上場している中国企業は550社以上に上る。

一方、中国の当局はかねてから、中国企業の監査資料が国外に持ち出されるのを阻止してきた。このため、米当局は中国企業の監査の質を検証することが難しかった。

ただ、上院が可決した法案では、中国企業は政府の管理の度合いについて情報を開示する必要があり、監査法人を監督する米上場企業会計監査委員会(PCAOB)による監査状況の点検に3年連続で応じなければ、米上場が禁じられる。法案はトランプ大統領が署名すれば成立する。」
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