会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

綱紀関係事例集[平成29年版]

日本公認会計士協会から、機関誌「会計・監査ジャーナル」3月号に同封して「綱紀関係事例集[平成29年版]」という資料が送られてきました。

協会の処分事例集としては、事例をわざわざ細切れにして項目別に並べ、会社や監査人が置かれていた状況がわからないようにした「監査提言集」というのが毎年出ていますが、これはそれとちがって事例ごとに概要や処分理由をまとめたものです(ただし会社名や監査人名は隠してある)。たしか、10年ほど前に同じような資料が発行されているはずですが、たぶんあまりにもなまなましすぎる(そのかわり事例を勉強する資料としては優れているわけですが)ということで、その後発行が途絶えてしまったようです。

今度はいつ出るかわかりません。過去の事例を研究して、監査品質を向上させようという監査関係者は、保存しておいて、折にふれて参考にするのがよいと思います。東芝事件なども含まれているようです。あまりに古い事例は含まれていないので、できれば、前に発行された事例集も参考にするとよいでしょう。

なぜ、いまになってこういう事例集を発行したのか理由はわかりませんが、16日に公表された品質管理に関する報告書で、「「守秘義務」を理由にした極度に抽象化(一般化)された監査の品質に関する情報提供や情報協力では、外部からの批判や分析による監査品質の向上の機会を遠ざけるだけ」と批判されている(以前からそういう意見はあったのでしょう)ことに対応しているのかもしれません。

ただし、処分公表時に協会会報に掲載されるものが、監査人の実名入りで、変な加工もされておらず、最も参考になります。監査法人の図書室などにはおいてあるでしょう。

(CPEの単位が5単位もつくので、数時間かけてオリンピックも見ずにまとめたものを、CPEサイトに登録しようとしたら、まだ項目が設定されていないようで、登録できないという残念な結果になってしまいました。)
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