住友銀行の元取締役が書いた『住友銀行秘史』という本の宣伝記事。
著者は大蔵省にイトマン事件を内部告発した人だそうです。
「いまなお多くの人の記憶に刻まれるイトマン事件とは、日本経済が1980年代の熱狂するバブル経済から一転、「失われた20年」という長く暗い時代へと落ちる狭間に起きた前代未聞の事件であった。
上場企業であった中堅商社のイトマンを舞台にして、本来であれば裏社会に生息していたような勢力が好き放題に跋扈。メーンバンクであった住友銀行の幹部たちが慌てふためくのをあざ笑うかのように、暴力団、地上げ屋などの闇の勢力によって巨大銀行が喰いものにされたのである。
当時は絵画取引、ゴルフ場開発などの名目で数千億円、数兆円とも言われる巨額が飛び交ったが、その一部はどこへ消えたのかわからないまま。多くの謎を残しながら、バブル崩壊の象徴として人々に鮮烈な記憶を植え付けた「戦後最大の経済事件」であった。
今回上梓される『住友銀行秘史』では、そんな事件の語られてこなかった真実、住友銀行内部の知られざる裏面史が明かされている。」
この頃と比べれば、企業のガバナンスや会計監査もだいぶまともになってきたと思うのですが...。(当時の住友銀行やイトマンの監査人は何をやっていたのでしょうか)
「著者は、元住友銀行取締役の國重惇史氏。東京大学卒業後、'68年に住友銀行に入行。大蔵省担当であるMОF(モフ)担を長く務めた後、イトマン事件の最中に住銀内で「当事者」として動き回っていたエリートバンカーである。」
「事件から20年以上が経ったいま、当時の記憶がはっきり残っているのかと心配する向きもあるだろうが、それは杞憂である。というのも、國重氏は事件の最中、克明なメモを手帳に書き残していたからである。
手帳の始まりは1990年3月20日。そこから事件が終結するまでの約2年あまり、ほぼ毎日のように住銀幹部らがどう動いていたかが「同時進行形」でつぶさに綴られている。」
住友銀行秘史 | |
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