味の素が、厚生年金基金の代行返上で、特別利益を計上するという記事。
「味の素は15日、厚生年金基金の代行部分の過去分について国に返上し、2013年3月期に277億円の特別利益が発生すると発表した。9月1日付で厚生労働相から返上に関しての認可を受けた。」
「14年3月期から、年金の積み立て不足を負債に計上することを定めた、新たな会計基準が適用される見通し。味の素はこれに先だって代行返上を実施することで、純資産への影響を抑える。」
会計基準が変わるからというよりは、代行返上した方が会社にとって有利だからというのが理由でしょう。今まで返上していなかったのが不思議なくらいです。
なお、2012年3月期の退職給付引当金の注記で、返上時の利益の金額の見込みは明らかになっていました。
「(追加情報)
当社は厚生年金基金の代行部分について、平成23年4月1日に厚生労働大臣から将来分支給義務免除の認可を受けました。
厚生年金基金の代行部分返上に関し、当連結会計年度末日において測定された返還相当額(最低責任準備金)は22,842百万円であり、当該返還相当額(最低責任準備金)の支払が当連結会計年度末日に行われたと仮定して「退職給付会計に関する実務指針(中間報告)」(日本公認会計士協会会計制度委員会報告第13号)第44-2項を適用した場合に生じる利益の見込額は27,135百万円であります。」
約228億円を支払って、代行部分の支払い義務を免れるわけですが、それ以上の引当金を積んでいるため利益計上できるということになります。
厚生年金基金の代行部分(過去分)返上に関するお知らせ
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