会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

岩塚製菓、四半期業績発表を延期(新潟日報より)

岩塚製菓、四半期業績発表を延期

ジャスダック上場の岩塚製菓が、(監査人交代にかかわるトラブルで?)2016年3月期第1四半期の決算発表を延期するという記事。「決算作業で追加の監査手続きが必要となった」とされています。ちなみに、前期の監査人はセントラル、当期はいったん新日本に交代しましたが、新日本との契約が成立せず、一時監査人を選任しています。

「岩塚製菓によると、同社は7月末に会計監査人を変更したが、引き継ぎ作業の中で前任の監査人が現在の監査人に「財務の一部で調べ直す科目がある」などと指摘。現在の監査人が誤りの有無を調べるため追加の監査手続きが必要になり、法定提出期限の14日に間に合わない見通しとなった。」

前任監査人が指摘したということは、前期の決算が間違っているということでしょうか。前任監査人は、前期の財務諸表に無限定適正意見を出しているわけですから、それと矛盾しないのでしょうか。後任監査人が、期首残高に疑義があると指摘したのならわかるのですが・・・。

長期の延期ではなく、31日には提出予定のようです。

一連のプレスリリース

平成28年3月期第1四半期決算発表延期及び第1四半期報告書提出遅延のお知らせ(8月12日)(PDFファイル)

「当社は、平成 28 年3月期第1四半期の決算発表及び同四半期報告書の提出に向けて準備を進め、平成 27 年7月 31 日開催の監査等委員会において一時監査人を選任し開示いたしました。一時監査人は、平成 27 年8月6日に監査基準委員会報告書 900「監査人の交代」に基づいて監査業務の引継作業を実施し、その際に一時監査人は前任監査人より一部の科目の期首残高について検討を要する可能性がある旨の指摘を受けました。

このため一時監査人としては、財務諸表及び連結財務諸表に重要な虚偽の表示が生じる可能性のある誤謬の有無について、通常の四半期レビューにおける手続きと比べて追加の監査手続きが必要であり、監査終了には時間を要する旨の連絡を受けております。」

一時会計監査人の選任に関するお知らせ(7月31日)(PDFファイル)

「・・・当社は新日本有限責任監査法人と平成 28 年3月期における会計監査契約の締結を行うべく、協議を進めてまいりましたが、監査契約の条件について折り合わず、結果として、当社会計監査人の委嘱に至りませんでした。

当社といたしましては、当社の会計監査人が不在となることを回避し、適正な監査業務が継続される体制を維持するため、本日開催の当社監査等委員会において、大有ゼネラル監査法人を当社の一時会計監査人として選任いたしました。」

契約条件で最重要なのは監査報酬だと思いますが、通常は、監査人交代を正式発表する前に、ほぼ決まっています。報酬が決まっていなかったとすれば異例ですが、あるいは、報酬以外の何か重要な問題が出てきたのでしょうか。(まさか東芝の応援で人が足りなくなった?)

この一時会計監査人も、第1四半期の期限まで約2週間しかない時点で契約するというのは、少し無理があります。

公認会計士等の異動に関するお知らせ(5月15日)(PDFファイル)
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