日経のコラム「大機小機」より。ITの進化と人材育成についてふれています。
会計監査へのIT導入も取り上げています。
「アクセンチュアが昨年行ったグローバル最高経営責任者(CEO)調査によると、世界の経営者の68%がデジタル化によってビジネスモデルの変革が促されると脅威を感じているのに対して、日本の経営者はわずか16%にとどまっている。日本ではいまだにデジタル化に関して理解が十分ではないことを示している。
ITはあくまでも、手段であって目的ではない。ITによって価値を生み出すためには、目的を整理し効果を明確にした上で、体系的に活用する必要がある。」
「大手監査法人はITの積極的な導入を打ち出している。しかし、現在のIT技術では、従来の監査手続きでは気付かなかった異常な取引の検知により、監査上有益な情報の効果的な収集は可能だが、監査業務自体の効率化に直接つながるものではない。異常な取引がただちに不正行為と認定されるものではなく、全体を見た上で、人間による合理的な判断により監査意見が表明されるからだ。」
「デジタル化時代だからこそ、最終的に人間に求められる能力を前提にしたデジタル化戦略と、それを踏まえた人材の育成が描けているか。経営者はIT活用方法の再点検とあわせ、人材育成のあり方の見直しが迫られている。」
会計監査でITというときには、監査先におけるITに依拠した部分をチェックするという側面(すでにやっているはず)と、監査作業自体をITを使ってやるという側面があると思いますが、最近話題になっているのは、後者を高度化する(究極的には人工知能にやらせる)という方でしょう。
しかし、前者についてすら、監査法人幹部や監査チーム責任者の認識が十分なのか、必要な人材が確保されているのかなど、やや不安が残ります(かつてよりは改善されていると思いますが)。まして、大量のデータ分析を精査的に行うといった、監査上の位置づけがまだ固まっていないような領域について、各監査法人でどこまできちんと議論され、認識が深められているのでしょうか。ビッグ4でやっているからといって、やみくもにやっても、無駄な作業が増えるだけかもしれません。
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