西松建設の違法献金事件をめぐる株主代表訴訟で、和解が成立したという記事。元役員10人のうち9人が同社に計1億5千万円を支払うそうです。
「裁判で原告側は、小沢一郎氏や二階俊博氏ら多数の国会議員側や自治体首長側に対し、同社がダミーの政治団体を経由して献金したり、パーティー券を購入したりして多額の政治献金をしたと主張。元役員らは不当な支出を知りながら防ぐ義務を怠ったと訴えた。
一審・東京地裁は元役員6人について「違法献金の手法を容認した」と認め、計約6億7200万円を同社に支払うよう命令。原告と被告6人の双方が控訴していた。
この事件では、小沢氏や二階氏の当時の秘書が政治資金規正法違反罪に問われ、有罪が確定したり罰金の略式命令が出たりしている。同社の元社長も同法違反の罪で有罪が確定した。元社長は今回の訴訟の被告には含まれておらず、別に同社が起こした損害賠償請求訴訟で和解が成立している。」
和解には、政治資金収支報告書をインターネット上で公開する一般財団法人に寄付をすることも盛り込まれたそうです。
会社へ賠償させるだけでなく、公益目的のために寄付させるというのは、新しい動きなのでしょう。(別報道によれば、寄付は、元役員側が行うのではなく、会社が行うようです。)
政治資金 国会議員・知事の収支報告書を集めネット公開へ(毎日)
「公開主体は弁護団らが6月に設立した一般財団法人「政治資金センター」(大阪市北区、理事長・松山治幸公認会計士)。弁護団によると、元役員9人に約6億9000万円を会社に返還するよう求めた株主代表訴訟は9日に東京高裁(後藤博裁判長)で和解が成立した。和解条項には、9人が計1億5000万円を会社に返還し、西松建設が再発防止を誓約して1000万円を同センターに寄付することが明記された。」
こちらも株主代表訴訟のニュース。
過労自殺で役員提訴 元肥後銀行員の妻が株主代表訴訟(朝日)
「肥後銀行(熊本市)の行員だった男性(当時40)の過労自殺をめぐり、過労死を防ぐ体制づくりを怠り銀行に損害を与えたとして、男性の妻(46)が7日、当時の取締役11人を相手取り、銀行に約2億6千万円を賠償するよう求める株主代表訴訟を熊本地裁に起こした。」
遺族は銀行を訴え賠償金を支払わせていますが、それに加えて、株主として株主代表訴訟を起こしたものです。
「同行株主である妻は訴状で、当時の会長や頭取ら取締役は行員の労働時間を把握する必要があり、心身の健康に関わる長時間労働であれば直ちに是正すべきだったと指摘。会長らは労働時間管理の体制づくりを怠ったと主張している。
妻は7日に記者会見し、損害賠償を求めた訴訟で銀行側の証人尋問がなかったことに触れ、「一緒に働いていた人の話を聞きたい。話をしてもらうにはこの方法しかないと思った」と説明。「同じ思いをする人がいなくなるならうれしい」と訴えた。」
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