会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査」ほか(監査法人トーマツより)

日本企業における「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査」2018年版、「アジア進出日系企業におけるリスクマネジメントおよび不正の実態調査」2018年版の結果を同時公表

監査法人トーマツの「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査」2018年版(日本の上場企業が対象)と、「アジア進出日系企業におけるリスクマネジメントおよび不正の実態調査」2018年版(アジアにある日系企業拠点が対象)。

前者(日本版)は日本の上場企業約3,500社を対象にアンケート形式で調査を実施したもの(有効回答数は430社)、後者(アジア版)はアジア地域に進出している日本企業の子会社に対し調査を実施したもの(有効回答数は413件)とのことです。

日本版の主な調査結果より抜粋。

海外拠点においては、「法令順守違反」が23.6%で1位(2017年は2位)となりました。国内外を問わず、コンプライアンスに関するリスクは、前回調査でも注目が高まっていることが見て取れましたが、2位に入った「子会社に対するガバナンス不全」と併せ、今回の調査でも企業における危機意識の高まりが結果として明らかになりました。」

クライシスを経験した企業は組織のリーダーによるリーダーシップの発揮やトップダウンでの迅速な意思決定を成功要因として挙げる一方で、過去にクライシスを経験していない企業はクライシスに備えた組織の枠組みや、規定整備、訓練といった「準備」の要素を重要視する傾向があり、クライシス経験の有無によって意識の違いが現れる結果となりました。」

アジア版の主な調査結果より抜粋。

アジア拠点が識別する最も優先して対応が必要なリスクは、前回調査の2017年に引き続き「法令遵守違反」が34.3%で最多となりました(図表2)。アジア各国でも労働、環境、税、贈収賄等に関連する法規が改正・施行され、法令環境の変化への対応が求められていることが分かります。」

日本版が60ページ弱、アジア版が50ページ弱のものです。詳しい内容はそちらをご覧ください。

自然災害への企業の危機意識上昇、トーマツ調べ (日経)

「優先して対応すべきリスクについて複数回答で聞いたところ「地震・風水害など災害の発生」が41.9%で最も多かった。17年の調査に比べても6.0ポイント上昇した。これに、「人材流出、人材獲得の困難による人手不足」(28.3%)、「法令順守違反」(24.6%)、「製品・サービスの品質チェック体制の不備」(20.5%)が続いた。」

「同時にまとめた日本企業のアジアの子会社413社の経営トップを対象にした調査では、優先すべきリスク課題として「法令順守違反」(34.3%)が最も多くなった。「市場における価格競争」(30.7%)、「人材不足」(24%)が続いた。人材不足は17年調査の18.6%から大幅に上昇。トーマツは「アジアの経済成長を背景に人材争奪戦が激しくなっている」としている。」
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