会計教育研修機構(会計士になるための実務補習などをやっている団体)の「IFRS教育・研修委員会」から「IFRS教育・研修のあり方に関する課題と今後の方向性」という報告書が公表されました(2015年10月15日付)。
同委員会が「より多くの日本企業が IFRS を任意適用していく上で必要となる教育・研修のあり方についての議論を行ってきた」検討に基づき、とりまとめたものです。
「広く関係者に IFRS を普及するための教育・研修」と「IFRS の任意適用を円滑に進めていくための教育・研修」に分けて、方向性が示されています。
以下、提言の項目のみ抜粋します。
広く関係者に IFRS を普及するための教育・研修
・大学等の会計科目における IFRS 取り扱いの増加
・IFRS に関するリカレント教育の場としての会計専門職大学院の活用
・会計関連の資格試験等の IFRS に関する出題範囲の拡大など取扱増加への取組み
・公認会計士試験合格者(実務補習生)に対する IFRS 教育・研修の充実
・IFRS が普及途上にある業種の担当アナリストへの研修等を通じたIFRS 情報の発信
・幅広い層に対して IFRS の概要に関する研修等を通じた情報の発信
IFRS の任意適用を円滑に進めていくための教育・研修
・IFRS の実務に資する研修の幅広い実施
・IFRS の監査を実施するために必要な知識等を備えた人材の育成
・経営者等に IFRS に関する適切な情報を適時に提供する機会の提供
・適用事例研修など適用実務に直結した研修の実施
・会計基準の趣旨及び背景に関する理解をより重視した研修の実施
・設例を利用した概念フレームワーク研修の実施
・国際的な対応力の向上に資する教育・研修の強化
IFRS関連の検定試験としては、この報告書でもふれていますが、東京商工会議所がやっている国際会計検定があります。基礎知識を得るにはよいのではないでしょうか。
国際会計検定BATIC Subject2公式テキスト〈2015年版〉: 国際会計理論 東京商工会議所 東京商工会議所 2015-03-03 by G-Tools |
(アマゾンのレビューの点数は低いようです。誤植などが多いようです。以前は大手監査法人が関与していたはずですが、いまはどうなのでしょうか。)