東京女子医科大などに特別背任の疑いで一斉捜索、同窓会組織が勤務実態ない職員に給与支払いか
東京女子医科大の同窓会組織（一般社団法人とのことです）でカラ給与が支払われていたという特別背任容疑で、警視庁が一斉捜索を行ったという記事。
「東京女子医科大（東京都新宿区）の同窓会組織「至誠会」から、勤務実態がない職員に給与が支払われていた疑いが強まり、警視庁は２９日午前、関係先として同大本部などに一般社団法人法の特別背任容疑で一斉捜索に入った。押収資料を分析して経緯を調べるとともに、大学側の関与についても捜査する。」
東京女子医大の特別背任事件、至誠会第二病院元事務長が証拠持ち出しか 退職の直前、車に運び込む姿（東京新聞）
「東京女子医科大（東京都新宿区）の同窓会組織「至誠会」を巡り、警視庁捜査2課が一般社団法人法違反（特別背任）容疑で捜査している事件で、同会運営の「至誠会第二病院」元事務長が、退職直前の昨年7月、会の本部事務所から、不正の証拠となりうる大量の資料を持ち出していたことが関係者の話で分かった。
捜査2課は3月29日、2020年5月～22年3月に勤務実態のない同会元職員に給与約2000万円を支払い、会に損害を与えた疑いが強まったとして、元職員と元事務長への同容疑で、関係先の大学本部や岩本絹子理事長の自宅などを一斉捜索した。」
本学関係者の皆様へ（2024年3月29日）（東京女子医科大学）
「本日、本学に警視庁による捜索が行われました。現時点では本学に詳細な情報が入っておりませんが、本学は警視庁の捜査に全面的に協力する意向です。
本学附属病院のご利用者、学生及び保護者の皆様など、多くの本学関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。詳細がわかり次第、あらためてご報告申し上げます。」
東京女子医科大学の不正疑惑は、以前から文春が取り上げていました。
それによると、学校法人は同窓会組織から出向者の受入を行っており、その人件費の名目で不正な支出が行われたという疑惑があるそうです。単に、一般社団法人の問題ではなく、国から補助金をもらっていて、多数の利害関係者がいる学校法人の不正疑惑ということになっていくのでしょう。
そのほかにも、いくつも疑惑があるようです。
当サイトの関連記事（2022年）（文春オンライン記事について）（文春記事では、長く契約していた監査法人がばっさり切られたことにもふれています。）
その２（2022年）（同上）
（補足）
家宅捜索後の文春の記事。これまでの経緯も含めて解説していますが、警視庁が狙う「本丸の事件」や隠されていた「疑惑のスキーム」については有料記事となります。
《東京女子医を家宅捜索》「私に関するフェイクニュースが…」“女帝”とナゾの側近2人が絡んだ疑惑のカネ「警視庁が考える“本丸”は…」東京女子医大の闇#19（文春オンライン）
同窓会組織は、今は、新体制になっているのだそうです。
「岩本氏は、2013年から6年間にわたり役員報酬以外に「顧問料」の名目で、合計約2000万円を得ていた。また、元事務長のＹは、2021年3月に特別賞与として1070万円を得ていたが、他の職員にこのような支給はない。そして、岩本氏に影のように付き添っていた秘書役のＸには、2015年から8年間で合計1億1366万円の給与が支払われていた。この中にYと同じ特別賞与1070万円が含まれる。しかもＸには、全く勤務した実態がなかったことが判明した。
新体制の至誠会は、一連の不正な報酬は岩本氏の決裁によって行われたとして、合計1億4436万円の返還を求める裁判を2023年10月に東京地裁に提訴していた。至誠会では、この情報を警察に提供しており、今回の家宅捜索は、Xに対する給与2000万円分に関して捜査令状をとったようだ。」
不正な給料1000万円は「特別賞与」で受け取りか 異例の3月支給 東京女子医大の特別背任事件（東京新聞）
「21年3月に1000万円超の特別賞与を受けたのは、勤務していた約380人のうち3人。会運営の至誠会第二病院に所属していた50代女性の元職員と、第二病院で給与の支払いを管理していた50代男性の元事務長を含む。」
「不正な給与が支払われたとされる期間、岩本理事長は至誠会の会長も務めていた。元職員と元事務長はいずれも第二病院から大学に出向し、理事長直轄の部署で秘書業務などをしていたという。捜査2課は岩本理事長の関与も調べている。」
