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JA秋田おばこ「前組合長指示で隠蔽」累積赤字62億円(毎日より)

JA秋田おばこ「前組合長指示で隠蔽」累積赤字62億円

当サイトでも何回か取り上げた「JA秋田おばこ」という農協の不正経理が絡んだ巨額赤字について、第三者委員会の報告書が秋田県に提出されたという記事。

「3月末時点の累積赤字の総額はさらに6億円以上増え、約62億8000万円と判明。さらに多額の損害発生の背景として「当時の組合長の指示で担当者が実態を隠蔽(いんぺい)した」と指摘した。

提出された第三者委員会の報告書によると、累積赤字が約62億8000万円と巨額になった理由は、農家への仮渡し金の過払い▽精算までの期間の長期化による経費の増加▽卸業者から上積みされた販売価格の不適切な処理--などと指摘。「収支の状況を長年看過し続けた理事会のガバナンス機能が不十分だった」とした。

また赤字が隠蔽されていた背景の一つとして、2011年産米の精算までは、前組合長が当時の米穀課長に実態と異なる精算書を作成するよう、不適切な指示を出していたことが判明。直接販売や多額の仮渡し金の設定については「前組合長の独断によるものと思料される」とした。ただ、前組合長が今年1月に死去したため聞き取り調査はできなかった。

一方、宮城県の卸業者との間で生じている未収金約12億5000万円は回収されておらず、現在代理人を通じて支払額を改めて協議しているという。06年にもこの業者との間に約1億円の未収金が発生したが、その後も取引が継続していたことが明らかにされた。」

「原組合長らはこの日午後2時半ごろ、県へ関係書類を提出。その後、県庁で記者会見を開いた。原組合長は「小さなウソが積み重なり、数字について検証されていなかったため、このような事態を招いたことを残念に思う」と述べた。」

JA秋田おばこ、不適正会計 赤字穴埋め 農家負担(日経)

「累積赤字の補填策として2018年産米から5年間、コメ1俵(60キロ)当たり300~500円を組合員の農家に負担してもらう。」

「報告書や記者会見によると、全農を通さない直接販売を始めた04年産から16年産までの累積赤字(3月末時点)が総額約62億8千万円に上る。会計処理のシステムを導入しないまま、コメの取扱量を増やした。実務が追いつかなかったうえ、前組合長の指示などで、ずさんな会計処理を続けてきたという。コメ卸に対する約12億5千万円の未収金も発生した。」

取引の仕組みなどについてはこちら。農家からコメを預かって販売する(売り切るには何年かかかる)、販売代金が入るより前に農家には仮払いする、販売実績に応じて精算するという仕組みだったようですが、その流れの中のいろいろなところでずさんなことをやっていたようです。

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